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「略称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

略称の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
おたけの方を見た。人見がこごみ加減に何か話しかけていた。異名ガンベ(ガンベッタの略称)の渡瀬がすぐその側にいて、声を出さずに、醜い顔じゅうを笑いにしていた。 「....
号外」より 著者:国木田独歩
! 今夜も「加と男」がノッソリ御出張になりました。「加と男」とは「加藤男爵」の略称、御出張とは、特に男爵閣下にわれわれ平民ないし、平ザムライどもが申し上げ奉る....
階段」より 著者:海野十三
として、はじめて国立科学研究所の門をくぐった。この国研は(国立科学研究所を国研と略称することも、其の日知ったのである)東京の北郊飛鳥山の地続きにある閑静な研究所....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
際に青年は少しおどけた顔付きで「あ、しまった、お隣にゃあアサ、ソウ(麻川荘之介の略称)が居たんだな。」と苦笑した。寝ようとして居る処へ母屋へ遊びに行って居た従妹....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。木曾山森林保護の目的で尾州藩から見張りのために置いてある役人の駐在所は一石栃(略称、一石)にある。いわゆる白木の番所だ。番所の屋根から立ちのぼる煙も沢深いとこ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
るべきかについて迷った。 だが、結局、ミスター・Fというのは、中国人|仏天青の略称であろうと気がついたので、ようやく心は一時|落着いた。 「この分なら、ポケッ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
寺町の夜店だった。母はその日がくると今夜はよのよだといった。すなわち横町の夜店の略称だ。すなわちよのよの日は女中も番頭も丁稚もめかしこんでぞろりぞろりと繰り出す....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の理解で以てこの言葉が必要とされたのでもなかった。一体文明開化という言葉は文化と略称される処のもので、この明治初年的略称が、後にヨーロッパ大戦前後を一期として生....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
的でなくてはならぬ。概念の抽象力はそのためにこそ存在するのだ。概念を概括的観念の略称ででもあるように思っている常識は今は問題にならぬ。概念は実在を把握する又はし....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
処が相川氏はいっている。日本資本主義の特色は、この半封建制(そう便宜のために略称しておく)そのものを充用することによってこそ初めて成り立つので、資本制と半封....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
製産している。このホテルだって全露移動人民宿泊便宜組合|莫斯科支部第何区所属で、略称セレクトフスカヤとか何とかいう実はお役所の一種に相違あるまい。無産の料理を与....
追憶の冬夜」より 著者:寺田寅彦
いていたような気がする。 マッチのことは「スリツケ」と云った。「摺り附け木」の略称である。高等小学校の理科の時間にTK先生という先生が坩堝の底に入れた塩酸カリ....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
山形地方では、オクメナイ様といっているという。してみればオクナイ実はオクメナイの略称かもしれぬ。いずれにしてもこれは宮内大輔の領分なる庄内限りのものではなく、広....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
く文句を言うのです。もし雪の多い所全部に鉄筋か煉瓦で、ナデ(雪崩すなわちナダレの略称)除け、スノーセットをトンネル風にでも作ったなら、あるいはどんな大雪でも堪え....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
を示すの語となっている。今も地方によっては、乞食の事をホイトという。ホカイビトの略称である。彼らは人の喜びそうな祝言を述べて、食を乞うて生きて行く。これすなわち....