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番う
「番う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
番うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「清心庵」より 著者:泉鏡花
てね、見ると綺麗でさ。それ、表は紅を流したようで、裏はハア真白で、茸の中じゃあ一
番うつくしいんだけんど、食べられましねえ。あぶれた手合が欲しそうに見ちゃあ指をく....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
の噂に花が咲いてるのを聞いていますと、塾頭が「若い者のうちではやっぱり棲鳳氏が一
番うまいなア」ということでした。将来恐るべき大天才とその頃松洲氏が喝破したのはえ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
人と芳子ちゃん、広島より帰宅。 九月十一日 ◯けさの朝顔は、ことし植えた中で一
番うつくしい空色と白とのしぼりが咲いた。これで二輪目である。 ◯徳川さんの「自伝....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
て、ざっとうをきわめているにちがいないという。 帆村と三根夫は、あいかわらず一
番うしろにならんで歩いていた。 「ねえ、帆村のおじさん。この町は、地球上のどの国....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
ない絶品佳肴がとりだされたのには、チーア卿も目をぱちくりであった。 「燻製も、一
番うまいのはカンガルーの燻製ですな。第二番が璧州の鼠の子の燻製。三番目が、大きな....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
あった。 とにかく小竹さんが顔を見せてくれるのが、牛丸少年にとって、一日中の一
番うれしいことだった。少年は小竹さんに対し、親しみの表情を示したが相手の小竹さん....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
って大いに興味のある点は――どこに手懸りが隠されているか、どこから解き始めたら一
番うまく行くかというところにある。すぐれた宝玉のような問題は、このように鍵の隠し....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
はすぐに、まず大きな方の佐藤を呼び出した。同期生じゅうで一番大きな男で、撃剣も一
番うまかった。器械体操場の金棒の下へ連れて行って、そこでいきなり殴りつけた。げん....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
イダーですらも、コップに二杯も飲むと、ちょっとポオとする。 ただウィスキーが一
番うまいようなので、毎日茶匙に一杯ずつ紅茶の中に入れて飲んでいたが、それだけでも....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
たのだが、その日、先夜の四人を前に儀右衛門が切りだした。 「ところが、そのうち一
番うけたのが、例の『椿姫』ってやつさ。いいから、わっしに喋らせねえってことよ。そ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
った。 停留所には十人ばかり客が列を作って、電車を待っていた。 針助はその一
番うしろへ並んだ。 ひそかにつけていた次郎は、何くわぬ顔で針助のうしろへ立った....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
それから例のごとくやはり麦焦しの団子に唐辛子と塩とを付けて喰ったです。それが一
番うまい御馳走。で十一時過まで話をして居りました。それは専門の話ですから無論お話....
「火の扉」より 著者:岸田国士
したらしい麦畑の間をぬつて、道は急な登りになる。 先登にたつて北原ミユキは、一
番うしろの康子に話しかける。 「わたし、もう父とけんかしてしまいましたの」 「ど....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
勝負の日が来ることか、この間、右に縫い左に抜け、とも倒れらしく見られる。そこで一
番うまくやっているであろうことが考えられるのは、茶道具の売り買いを念頭におき、四....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ろう。元々一番安いというもの、キツネウドンだのホルモン焼きのようなものが、実は一
番うまいのかも知れない。大阪で一番美味を味っているのは、あまりゼイタクのできない....