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番兵
「番兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
番兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
らさらとそよぐ音にも、家なき亡者の私語が聞こえる。地獄の門前にいるまじめくさった
番兵のように、灰色の燈籠が立っている。珍香の香が一時に茶室から浮動して来る。それ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たかも軍門を通過する時に、その輿のなかからおびただしい血がどっと流れ出したので、
番兵らに怪しまれた。彼はひき戻されて取調べを受けると、その言うことも四度路で何が....
「奇妙な遠眼鏡」より 著者:香倶土三鳥
も青くなってしまいました。それは大変と、てんでに宝庫に駈け付けて調べて見ますと、
番兵も庫の鍵もチャンとしていながら、中の刀と鉄砲だけ無くなっています。そうしても....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
たが、木戸番は番太郎といって木戸傍の小屋で、荒物や糊など売っていたのが、御維新後
番兵というものが出来て、番太郎が出世して
番兵となって、木の棒を持って町々を巡廻し....
「火星兵団」より 著者:海野十三
近づいた。
扉に手をかけて中をのぞいたが、いいあんばいに、誰もいない。火星人の
番兵か誰かが、扉のかぎをかけ忘れて、どこかへ行ってしまったらしい。
「こいつはし....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
ていた紙巻煙草をぽんと灰皿の中になげこむと、当惑顔で名刺の表をみつめた。前には当
番兵が、渋面をつくって、起立している。 ここは帝都に近い××防衛飛行隊本部の将....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
水兵が銃をかかえてあっちへいったりこっちへきたり、番をしていた。 ケレンコは、
番兵にいった。 「おい、リーロフはどうした」 「私は少しも知りません」
番兵は....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
でする。 舷梯下に、汽艇がついたらしい。 大尉が見ていると、舷門についていた
番兵が、さっと捧銃の敬礼をした。誰か下から上ってきたようである。 はたして長身....
「空襲警報」より 著者:海野十三
開いても、毒瓦斯はこの幕で一時食いとめられる仕掛にして、そこには学生を二人ずつ、
番兵につけた。 彼等はピッケルを、小銃のように持って警備についた。こうして全く....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
長はどこだッ? 蓄音機はどこだッ?」 「蓄音機は司令部へ行ったぜ」 と、若い当
番兵が答えた。 「今、司令部から電話掛って来て、あわてて駈けつけて行きやがった。....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
これが捕虜の間にも洩れたと見えて、百人の蒙古兵は風雨の夜に乗じて逃走を企てた。
番兵が追掛けて其幾人を捕え、其幾人を殺したが、余の七八十人は山を越えて何処へか姿....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
簡単なものです。ある中隊長がけさ告発してきたのですが、その内容は、その中隊長の当
番兵として配属され、彼の戸口の前で眠ることになっていたこの男が、寝過ごして勤務を....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
城に〕入って行く道もありますけれども、いずれも関所もありあるいは関所のない所には
番兵が見張をして居りますから容易には入れない。サラット博士の説では「ニャートンの....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ころにあったと思います。明治年間には遠くイギリスと日英同盟を結んでアジアにおける
番兵のごとき役割をはたし、第二次世界戦争のさいはこれまた遠くドイツ、イタリアと軍....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
や士官候補生に特別の軍服を着せ、士官候補生を別室に収容して兵と離隔し身の廻りを当
番兵に為さしむる等も貴族的教育の模倣の遺風である。速やかに一抛、兵と苦楽をともに....