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「番卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

番卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
喝采」より 著者:太宰治
また、幸福クラブの誕生を、最もよろこぶ者のひとりでございます。わが名は、狭き門の番卒、困難の王、安楽のくらしをして居るときこそ、窓のそと、荒天の下の不仕合せをの....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
る。いくら作っても足りない。警戒巡視に出る人員がきめられる。歩哨がきめられる。当番卒がきめられる。炊事当番がきめられる。不寝番がきめられる。 「おやッ、俺の上衣....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
紅衣の尼僧 唐の宰相の賈耽が朝よりしりぞいて自邸に帰ると、急に上東門の番卒を召して、厳重に言い渡した。 「あしたの午ごろ、変った色の人間が門に入ろうと....
十二支考」より 著者:南方熊楠
とに掘り取り、蓮根枯れれば花が散るはずでないかとあり。今一つは、夫他行の際、左の番卒を画き置きしに、帰り来れば番卒右にあり、怒って妻を責むれば、永々の留守ゆえ左....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を取り直すが早いか我が脇腹《わきばら》へ突き立てた。 「や!」 並み居る役人も番卒も、一同に仰天《ぎょうてん》した。支えに行く間に、もう新兵衛はキリキリと引き....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
この運命を自覚しているや否や、ものすごく沈黙したなりで、決して口をきかない。役人番卒が何と言っても口を利《き》かない。見物が何と言って罵《ののし》っても口を利か....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
を飾るつもりでございますヨ。※では、手前は一枚|上手《うわて》をいって、「地獄の番卒」とでもいたしましょうかネ。――喧々囂々《がやがやもうもう》、耳を聾《ろう》....
三国志」より 著者:吉川英治
「番人どもっ、開けろ、開けなければ、ぶちこわすぞっ」と、どなり出した。 役館の番卒は、「何者だっ」と、中から覗き合っていたが、重棗の如き面に、虎髯を逆だて、怒....
三国志」より 著者:吉川英治
ていた。 「開けろっ、開けろっ。開門せねば、ぶちこわして踏み通るぞッ」 苑内の番卒はおどろいて、 「こわしてはいかん。何者だ。何者だ」 問い返すまにも、巨き....
三国志」より 著者:吉川英治
吼すると、彼の体躯は真二つになって、血しぶきとともに斬り落されていた。 あとの番卒などは、ものの数ではない。 関羽は、縦横になぎちらして、そのまま二夫人の車....
三国志」より 著者:吉川英治
美しい鞍をおいた駒にまたがる。 中門を出る。城楼門を出る。 誰も怪しまない。番卒たちは、 「ほ、婿様と呉夫人が、おそろいで、どこへお出ましか」 と、羨望の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
くやるように、掌の上で、雀にそれを食べさせていた。 すると、二日目の午さがり、番卒がやってきて、彼を外へ呼び出した。 牢の外には、ひとりの部将が待っていた。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
と外界との遮断のためであるのはいうまでもない。 「ご苦労だな」 彼の声と知った番卒たちは、びっくりして小屋から飛びだしてくるなり礼をそろえて言った。 「これは....
黒田如水」より 著者:吉川英治
食物といっては、正に獄人に食わせるようなものを、朝夕二度、頑丈な荒格子の窓から番卒が給与してくれるものだけである。――が、この玄米と菜などは日頃噛む十層倍も根....