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番太郎
「番太郎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
番太郎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
締める、少しやかましい事が有ると六《む》ツ限《ぎり》で締切ります、此の木戸の脇に
番太郎がございまして、町内には自身番が有り、それへ皆町内から町内の家主《いえぬし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まったのです。近所でも心配しているんですが、まだ判りません」 火の番はいわゆる
番太郎で、普通は自身番の隣りに住んで荒物屋などを開いているのであるが、この町の火....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は、自身番の屋根の上に付いていて、火事があると店の男が半鐘を撞くか、または町内の
番太郎が撞くことになっていました。それですから半鐘になにかの間違いがあれば、さし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
驚いていると、正兵衛は続けてささやいた。 「御承知でもありましょうが、この町内の
番太郎に要作というのが居ります。女房はお霜といいまして、夫婦ともに武州川越在の者....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
したね」 「ああ、神田の親分でしたか。店中に飛んでもないことが出来しまして……。
番太郎に云い付けて早速お届けはして置きましたが、まだ御検視が下りないので、うっか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たんですね」 「河童に逃げられました」と、親方は額の汗を拭いた。そこに居あわせた
番太郎も小さくなって俯向いた。 河童を取り逃がした事情はこうであった。さっき幸....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
見送って、おまきに向い、 虎「まアおまきさん御覧よ、酷い奴じゃないか、彼奴はもと
番太郎で、焼芋を売ってたが、そのお前芋が筋が多くて薄く切って、そうして高いけれど....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ものもある。元治年度の江戸を見た目で、東京を見ると、今は町々の角に自身番もなく、
番太郎小屋もない。わずかに封建時代の形見のような木戸のみの残ったところもある。旧....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ったのが、戦争の前後は世の中が物騒なので、町々の木戸を閉したのでしたが、木戸番は
番太郎といって木戸傍の小屋で、荒物や糊など売っていたのが、御維新後番兵というもの....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
蛛の巣を拡げている、この鳥居の向うの隅、以前|医師の邸の裏門のあった処に、むかし
番太郎と言って、町内の走り使人、斎、非時の振廻り、香奠がえしの配歩行き、秋の夜番....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
郷へ行ってみろと言うから、杖にすがって、そこより十七八町わきの村方へはいったら、
番太郎が六尺棒を持って出て、なぜ村へ来た、そのために入口に札が立ててある、このべ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
速く行って触らねえことにゃ、おせんちゃんは帰ッちまわァ」 「おッと退いた退いた。
番太郎なんぞの見るもンじゃねえ」 「馬鹿にしなさんな。
番太郎でも男一|匹だ。綺麗....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
寒い夕靄の色が川下の方から遡るように拡がって来た。水は音もなく静かに流れていた。
番太郎が七つ半(午後五時)の析を打って来たのに驚かされてお菊は慌てて内へ入った。....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、番頭喜兵衛の采配で手代の一人は近所にいる出入りの医者へ、飯焚きの男が三町おいた
番太郎の小屋へ、そして発見者たる彼仙太郎はこうして一応繩張りである藤吉の許まで知....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
屋から急を聞いた提灯屋の亥之吉は、若い者を一人つれて息せき切って駈けつけて来た。
番太郎小屋の六尺棒、月番の町役人もそれぞれ報知によって出張したが、亥之吉始め一同....