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番役
「番役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
番役の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
眼には涙のあとが乾かなかった。 引っ返して内へはいると、隣りのおばあさんが留守
番役にひとり坐っていた。林之助は彼女からお絹の臨終の有様などを詳しく聞いた。お絹....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
になると、肝心の道場なるものがまたなかなかたいへんな数でありました。将軍家お指南
番役たる柳生《やぎゅう》の道場を筆頭にして、およそ剣道指南と名のつく末流もぐりの....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
誘は絶対的に拒絶する。村の小さな耶蘇教会にすらも殆ど往かぬ。昨年まで年に一回の月
番役を勤めたが、月番の提灯を預ったきりで、一切の事務は相番の肩に投げかけるので、....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
見せて、ほん気の毒でありますよ」 と云った。 「どうして? お母さん。わたしは一
番役に立たないから、却ってすまないと思っているのに」 「あんたがいるけに、どんだ....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
わらなかったんに落胆しとったんやけど、おとなしいものやさかい、何も云わんで、留守
番役をつとめとった。それが予備軍のくり出される時にも居残りになったんで、自分は上....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
りますよ。さあミウーソフさん、今度はあなたが話をする番ですぜ。いよいよあなたが一
番役者です……もっとも、ほんの十分間だけじゃが」
三 信心深い女たち
外囲....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
のだった。 いよいよ旅行の日が来た。全員――といっても朝倉夫人だけはいつも留守
番役だった――が門を出たのは、まだ夜が明けはなれないころだった。旅行中のいろんな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
だけでも、あとで上杉殿からどんなお叱りをうけるかと。 かつて、自分は六波羅の大
番役も勤め、都は何度も見ていたが、又太郎ぎみには、初めてのご見物だ。すべてが、も....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ざいませぬで」 「さ……それで若い者から長屋侍も毎日みな出払っておる。わしを留守
番役の恰好でな」 なるほど、くぬぎの防風林と石築土にかこまれたここの中には、い....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
散して上昇して行ったものなのである。これらの細塵や塩の微粒子が凝縮の核としては一
番役立つものであるが、それらが大気中に少い場合にはイオンが凝縮の芯になる場合もあ....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
。そんなときは、すぐに喧嘩になった。そんな時は、たいがい石を投げ合うので、私が一
番役に立った。 私はいつも敵の頭を越す位に打った。一個から二個、三個という順序....