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番船
「番船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
番船の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
宿した。 二十五日夜には、下田の村を流れている川に繋いであった舟を盗み、川口の
番船の目を忍んで海へ出た。が、その夜は波が荒く、重輔の未熟な腕では、舟が同じ所を....
「世相」より 著者:織田作之助
あげられて行った。 六 中支からの復員の順位は抽籤できまったが、籤運がよくて一
番船で帰ることになった。 十二月二十五日の夜、やっと大阪駅まで辿りついたが、さ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のところ天気|悪しきため、碇泊いたし、明朝出帆のつもりに候おもむき申し聞け候間、
番船付け置き候。しかるところ、夜に入り四つ時ごろ、長州様軍艦乗り下り、右碇泊いた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
衛と喜多八が名古屋を除外したからといって、故意にやったわけではなく、宮の宿から一
番船で、七里の渡しを渡って、伊勢の桑名へ上陸の普通の順路を取ったまでだから、それ....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
」 中尉は、眼をとじたまま、うちうなずき、 「そ、そんなら、よし! そこで、三
番船艙の中にはいって……はいって、その、そこにある戦車の中に、おれを乗せてくれ。....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
めた。その妙な物音は、ずっと下の船艙からきこえる。二人はその物音を追ってついに二
番船艙の底まではいりこんだ。あたりは電灯も消えて真暗であった。が、どこからともな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その腰のあたりまでしかない一つの小さい物体が現われました。 「モシ、桑名からの二
番船はまだ着きませんですか」 「え」 思いを天上にのみ走《は》せていたお銀様が....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
ません、操が立ちませんからどうぞ私を殺して自害をさして下さいと云うのみ。或る朝二
番船も出まして、もう一人も客はおりませんで寂然としております。 山「お蘭さん、少....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
慣れぬ三本|檣《マスト》の大船が横たわっていることであります。その当時の漁船や、
番船や、また幕府の御用船なども、その大きな黒船の前では、巨人の周囲を取巻く小児の....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
半左衛門預《つだはんざえもんあずかり》という焼判《やきばん》がおしてある。 三
番船梁に打ちつけてある廻送板《まわしおくりいた》を見ると、最後に江戸を出帆したの....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
の音《ね》が、 どどどん、どどどん。 と、椰子の林に鳴りひびいている。 一
番船の舳には関矢一郎が、腰に銘刀|関《せき》の孫六《まごろく》をぶちこみ、角笛を....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
館蘇州庵《とうやかたそしゅうあん》の竹倚《チョイ》 大阪、川口の賑い。 菱垣
番船《ひしがきばんせん》、伏見《ふしみ》の過所船《かしょぶね》、七村の上荷船《う....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
。 やがて、ボウーという法螺の音が聞こえる。 矢走へ通う松本の船渡しから、一
番船のでる知らせである。 (江戸へお帰り、江戸へお帰り、お綱さん、諦めて江戸へお....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たへ。 夜が明けた。 竹屋三位と、お十夜と湧井道太郎は、淡路の蔭をゆるく縫う
番船の胴の間に仆れていた。 夜来の疲れで、刀を抱いて、寝ていた。 柔和な海面....