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異し
「異し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「観画談」より 著者:幸田露伴
紅い光や黄色い光に充たされていると思ったが、それは自分の薄暗いと思っていたのに相
異して、室の中が洋燈も明るくされていれば、またその外に提灯などもわが枕辺に照され....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
知らないで列べたのでは、一日かかっても少し多い根数になれば出来ない。古代の人が驚
異したのに無理はないが、今日はバッチェット方法、ポイグナード方法、その他の方法を....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
ト晩中寝ないで待ったが、今朝になっても帰されて来ぬところを見ると、今日もどうやら
異しい。何か悪いことでもして未決へでも投ち込まれているのではなかろうか。刑事の口....
「爛」より 著者:徳田秋声
によって伝わってから、お増は時々お柳の夢を見ることがあった。 「お前の神経も少し
異しいよ。ふとしたらお柳が祟っていないとも限らない。」 浅井はそう言って揶揄っ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
鳥の道、魚の道、虫の道、また獣の道もあることを忘れてはならぬ。
吾儕は奇蹟を驚
異し、透視の人を尊敬し、而して自身は平坦な道をあるいて、道の導く所に行きたいもの....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ならぬからである。安らかであろうが、危険であろうが、私らはまず生命という事実に驚
異し、疑惑し、この大事実の意味を深く考えてみなければならない。しかる後燃ゆるがご....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
と競争して戦い取る時に理論の客観性が得られるのだと云ってもいい。 観覧席では驚
異したり驚嘆したりしていても済むが、当事者は驚異や驚嘆などしていては負けて了うだ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
のは何も彼が専ら形而上学的な思弁に於て優れていたからだけではない。彼が空の星を驚
異しながら道を歩いていて溝に落ちたからではない。彼が当時の最も優れた技術家であり....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
り此歌の方が旨い。 ○ 朱らひく膚に触れずて寝たれども心を
異しく我が念はなくに 〔巻十一・二三九九〕 柿本人麿歌集 同上、人麿歌集出。一....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
くる長靴は膝に及び頭にはめりけん帽の縁広きを戴きぬ、顔の色今日はわけて蒼白く目は
異しく光りて昨夜の眠り足らぬがごとし。 門を出ずる時、牛乳屋の童にあいぬ。かれ....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
家や木や道や、すべて太陽に呑まれた現実の夏であった。私はそれらを、奇蹟のように驚
異して、しばらく呆然と視いるのであった。頬に這う汗を、私は知らず拭いていた。 ....
「書記官」より 著者:川上眉山
たもそなたを見上げぬ。 廊下を通う婢を呼び止めて、唄の主は誰と聞けば、顔を見て
異しく笑う。さては大方美しき人なるべし。何者と重ねて問えば、私は存じませぬとばか....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
なりし眼を急に見張って、ぐにゃりとしていし肩を聳だて、冷とうなった飲みかけの酒を
異しく唇まげながら吸い干し、一体あんな馬鹿野郎を親方の可愛がるというが私には頭か....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。 生長し、生殖し、受胎し、産卵し、展望し、喧騒し、群立し、思考し、歓喜し、驚
異し、飛揚し、飜躍し、――島そのものから、ああ、島そのものからすばらしい創世紀に....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
果たすばかりに止まらないで、更にまた幽壑には飛橋を渡し、絶崖には長梯を架して、驚
異し嘆美し、そして自己を満足させようとする山岳宗徒に、惜しいことではあるが日本南....