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異分子
「異分子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異分子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
ところと見たら差支《さしつかえ》ないでしょう。例えば鉱《あらがね》のように種々な
異分子を含んだ自然物でなくって純金と云ったように精錬した忠臣なり孝子なりを意味し....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
。いわんや各自が本来の傾向に従って、個性を発揮して懸《かか》った日には、どこかに
異分子が混入して来る訳になります。しかもこの
異分子もまたB主義の名に掩《おお》わ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の本能が正しく働いている限りは、それは愛の衷に溶けこまずに、いつまでも私の本質の
異分子の如くに存続する。私は常住それによって不快な思いをしなければならぬ。誰か憎....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
った。 バラバラッと、礫のようなものが、身辺に降って来た。 照空隊の光芒は、
異分子の侵入した帝都の空を嘗めまわした。 その合間、合間に、高射砲の音が、猛獣....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
られる。それがいつとはなしに自然淘汰のふるいにでもかけられたかのようにいろいろな
異分子が取り除かれて五と七という字数の交互的連続に移って行っている。こういう現象....
「ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
ソヴェト同盟内の革命的プロレタリアートと党とは、過渡期のソヴェト社会内のあらゆる
異分子と闘い、或るときはそれをボルシェビキ的な指導によって、発展させることによっ....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
、新しい溌溂たる生産能率増進のために、官僚主義排撃が、盛に行われた。 反革命的
異分子の清掃が、あらゆる部門にわたって積極的に行われはじめた。 間断なき週間制....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ほとんど沿海の諸国を渡り歩いているうちに、その言語が英語を主として、それら諸国の
異分子が、ゴッチャになっているうち、支那の上海《シャンハイ》あたりにいたこともか....
「ラジオ雑感」より 著者:寺田寅彦
くなってしまうのである。しかし家庭の日常生活の中へ突然に、全く不連続的にそういう
異分子が飛込んで来るときに、われわれはやはりそういうちぐはぐを感じない訳には行か....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
ととなりたるぞ、思えば変る人の身の上なりける。 十 ああ死別 されど妾の如き
異分子の、争《いか》でか長くかかる家庭に留まり得べき。特《こと》に舅姑《きゅうこ....
「競漕」より 著者:久米正雄
ろ、皆はすっかり融け合っているらしかった。浅沼の去ったことが、皆の心もちにすべて
異分子が除かれたというような感じを齎らして、皆の一倍親しみを作ったのであろう。小....
「日記」より 著者:宮本百合子
に、一面から云えば、しきりに飾りたてたがって居る人達ばかりなので、私はここでも又
異分子めいた感じを人もうけ、自分も与えられる。あんなに円く座って髪をなおしこをす....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
よい。由来、この国の人は才能を育てようとしない。異色あるものに難癖をつけたがる。
異分子を攻撃する。実に情けない限りだ。もっとも甘やかされるよりも、たたかれる方が....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
以てし、従来の浮世絵が取扱ひ来りし美麗なる画題中に極めて突飛《とっぴ》なる醜悪の
異分子を挿入《そうにゅう》したる一事《いちじ》は甚《はなはだ》注意すべき事とす。....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
審査をボイコットされたことにからんで東大助教授の職をなげ打ったことだ。夫は独学の
異分子がアカデミーで出会う運命の一つであったらしい。それまでになるにはおでん屋か....