異口同音[語句情報] » 異口同音

「異口同音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異口同音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ない。ある人は五十フランに値切って二つ買ったとか話していた。 「なにしろ暑い。」異口同音に叫びながら、停車場のカフェーへ駈け込んで、一息にレモン水を二杯のんで、....
大空魔艦」より 著者:海野十三
は、そのまま矢のように海中に沈んでいった。 「あっ、隊長、危い!」 隊員たちが異口同音に叫んで、手で眼を蔽ったとき大月大佐の巨体は、もんどりうって氷上に転がっ....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
仇うちをしなくちゃ、腹の虫がおさまらないや」 二艘のボートからは、乗組員たちが異口同音に、いましも傍にきた幽霊船に対して怒りの声をなげかけた。盆をくつがえすよ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
すき好んで鐘を撞くか。勿論、即時にここを去る。 村四五 出て行け、出て行け。(と異口同音。) 晃 お百合|行こう。――(そのいそいそ見繕いするを見て)支度が要る....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、丹波の太郎に沙汰するな、この事、必ず、丹波の太郎に沙汰するな―― と揃って、異口同音に呼ばわりながら、水車を舞込むごとく、次第びきに、ぐるぐるぐる。……幕へ....
ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
はない。或人は五十フランに値切って二つ買ったとか話していた。 『なにしろ暑い。』異口同音に叫びながら、停車場のカフエーへ駆け込んで、一息にレモン水を二杯のんで、....
多神教」より 著者:泉鏡花
媛神 知らない。 ――「平に一同、」「一同|偏に、」「押して伺い奉る、」村人らも異口同音にやや迫りいう―― 巫女 知らぬ、とおっしゃる。 神職 いや、神々の道が....
道なき道」より 著者:織田作之助
コード会社の者や、映画会社の使者や、楽壇のマネージャー達がつめかけた。 彼等は異口同音に「天才」という言葉を口にした。すると、庄之助は何思ったか、急にけわしい....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
――梅田、天六、鶴橋、難波、上六、の闇市場を歩いている人人の口から洩れる言葉は、異口同音にこの一言である。 思えば、きょうこの頃の日本人は、猫も杓子もおきまり....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
を承諾したるに、かかる事柄は固より行わるべきに非ず。その事の知れ渡るや各国公使は異口同音に異議を申込みたるその中にも、和蘭公使のごときもっとも強硬にして、現に瓜....
入れ札」より 著者:菊池寛
らみを云うような、ケチな野郎は一人だってありゃしねえ。なあ兄弟!」 みんなは、異口同音に、浅太郎の云い分に賛意を表した。が、そう云われてみると、忠次は尚更選み....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十郎の関兵衛に対して菊之助の小町は殆んど遜色のない出来であるというので、好劇家は異口同音に賞讃した。団十郎も楽屋で褒めたそうである。かれは菊五郎の仕込みだけに、....
革命の研究」より 著者:大杉栄
ずに、自らその思想を発表することのできるものが、どれだけいることだろう。みんなが異口同音に答えることはたった一つだけある。それは「革命の敵」を虐殺するということ....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
べてを望むことはできないということ、わけてもルナアルにおいて、この弁護以外に彼を異口同音の批難から救い出す結論はないのである。 ジイドはジイドの道を歩み、ルナ....
田螺」より 著者:北大路魯山人
りを嗅ぎ、たにしを食いたいと駄々をこね出した。生さぬ仲の父や母をはじめみなの者は異口同音に、どうしましょうと言うわけで、不消化と言われるたにしを、いろいろとなだ....