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「異国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
や」と、身ぶるいして申されたり。われ、その一部始終を心の中《うち》に繰返しつつ、異国より移し植えたる、名も知らぬ草木《くさき》の薫《かぐわ》しき花を分けて、ほの....
或る女」より 著者:有島武郎
始終貨幣一枚一枚の重さを計って支払いするような注意をしていた。それだのに目の前に異国情調の豊かな贅沢品《ぜいたくひん》を見ると、彼女の貪欲《どんよく》は甘いもの....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
たこの妾の気持がどうして貴方に汲《く》んでもらえないのでしょうかしら。こんな遠い異国に来て、毎日|泪《なみだ》で暮している妾を、可哀想だと思っては下さらないので....
深夜の市長」より 著者:海野十三
って電波を消してゆき、あとには唯一つ、南京放送局の婦人アナウンサーが哀調を帯びた異国語で何かしら悠くりと喋っている声だけが残っていた。 その嬌声を副食物にして....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
った。両側の飲食店からは、絃歌の音がさんざめき、それに交って、どこの露地からも、異国情調の濃い胡弓の音や騒々しい銅鑼のぶったたくような音が響いて来た。色提灯を吊....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
も、その上衣から発散することが判ってきた。それにしても、いい匂いだが、なんという異国情調的な香なんだろう。私の手は無意識に伸びて、その上衣のポケットを、まさぐっ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
。折々「チー」や「ポン」の懸声があちこちに起り、またガチャガチャと牌をかきまわす異国情調的な音が聴えて来ました。どうしても来ない客が二人ほどあったために兄夫婦は....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
しさを、この赤星ジュリアが持っているように感じた。それはどこか日本人ばなれのした異国風の美しさであった。ジュリアという洋風好みの芸名がピッタリと似合う美しさを持....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
》する知識がなかったけれど、幸いというか、隆夫は今たましいの状態にいるので、彼ら異国人の話すことばの意味だけは分った。 そして、ついにこの場所がどこであるかと....
人造人間事件」より 著者:海野十三
白堊ビルがクッキリと暗闇に聳えたっているのが見えた。このあたりには今も明治時代の異国情調が漂っていて、ときによると彼自身が古い錦絵の人物であるような錯覚さえ起る....
」より 著者:池谷信三郎
春ですわね。 ――ほんとに。春になると、私はいつも故国の景色を想いだします。この異国に来てからもう七度の春が巡ってきました。 ――どこの国も同んなじですわね、世....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
の中に又黒塗の箱が有り、それには武田家の定紋染めたる旗|一旒に一味徒党の連判状、異国の王への往復書類などが出たとある。これは又、上野介が小細工という説も有るが、....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
津沖で追詰められて、到頭子分達は召捕りになりましたが、松五郎ばかりは五十貫もある異国の大|錨を身に巻附けて、海へ飛込んで死んで了いましたので、未だその他に同累も....
余齢初旅」より 著者:上村松園
に行くと、日本古来の名作のみならず、支那の名作逸品が大切に保存されている。大切に異国の文化が保存されきたったのである。これは何という有難いことであろうか。日本の....
西航日録」より 著者:井上円了
歳華新、挙杯先祝天皇寿、不背真為日本民。 (百発の大砲の音が早朝の静けさを破り、異国になお新年の光をみるのである。杯をあげてまずは天皇の長寿を祝い、まことの日本....