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「異国趣味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異国趣味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
に対する憧憬《あこがれ》の心を語っていないものは無かった。こういう老婦人の姪に、異国趣味そのものとも言いたいマドマゼエルのような人が生れたのも決して不思議は無い....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いで見たり、刀豆形の延べ銀の煙管を退屈な時の手なぐさみにしたりするだけにも、ある異国趣味の満足を覚えるというふうの男だ。やがて彼は煙管を口にくわえて、さもうまそ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あまりに、その心を見ぬヨーロッパの思慕へとかえるものがある。戯文に隠れて、一般の異国趣味をあおぎ立てるものもある。「なるほど、世の中は変わりもしよう。しかし、よ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
董癖のある英人弁護士の事務所に働いたこともあるので、自分でも下手ものの骨董品や、異国趣味の室内装飾品などが好きであったが、庸三はある連帯の債務を処理してもらった....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
かしハーモニカやピッコロにはない俳味といったようなものがあり、それでいて南蛮的な異国趣味の多分にあるものであった。 むきになって理屈を言ってる鼻の先へもって来....
ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
ゲンツィアの任務を過大評価している点、的はずれな機械力への讚美、生産労働に対する異国趣味を、はっきり批判するようになって来た。成長した大衆からの批判は、これ等団....
五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
困難した。 学生や若い勤人中の所謂文学好きは、構成派の詩人たちの科学性に対する異国趣味にひきつけられた。さもなければ未来派系統の、芸術左翼戦線の、作家詩人の言....
イタリー芸術に在る一つの問題」より 著者:宮本百合子
反復が芸術的に素朴な手法でされているものだから、希望される最も低い意味での風景的異国趣味さえ損われてしまっている。登場する人物は少数のイタリー指揮官と、銃を与え....
中国に於ける二人のアメリカ婦人」より 著者:宮本百合子
って来ることもまれではないのである。 バックの中国についての感情は非常に深い。異国趣味なところは微塵もない。全く、彼女はアメリカよりもよく中国を知っているので....
「道標」を書き終えて」より 著者:宮本百合子
ェトナムや朝鮮の人々の勇気は、その脈動をつたえている。わたしたちの文学は、当然、異国趣味でない国際的関係とその感情、世界史の積極的発現への評価をふくむはずである....
あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」より 著者:宮本百合子
主主義の全局面が、現在どんなに国際的条件にかかわりあって来ているかがよくわかる。異国趣味《エキゾティシズム》を通じて、より進んだと信じられている文化形態を通じて....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
終)から書いたものです。小冊子で、不充分だけれ共、わたし達が所謂スペイン風として異国趣味で誇張して珍しがっているすべてが、スペインにとっては誇よりは寧ろ悲劇であ....
山の手の子」より 著者:水上滝太郎
太鼓、そんな物に飽きたお屋敷の子は珍物《めずらしもの》好きの心から烈《はげ》しい異国趣味に陥って何でも上等舶来と言われなければ喜ばなかった。長崎屋の筋向うの玩具....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
投げ込まれる春の陽に、それらのものが艶々と光り、また陰影を印けている。 極めて異国趣味の室である。 牀几に腰かけた二人の男女、民弥とそうして右近丸、清浄な処....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
の匂いを嗅ぎ、清澄な空の高さを仰いでは、希望の欣びを知り、棧橋の人混みにまぎれて異国趣味に睦《むつ》み、山の上から眼下に横たわる街々を眺めては平和を愛し、支那人....