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異常
「異常〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異常の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
の人々は子供の時から無数の葬式を見ているため、葬式の費用を見積《みつも》ることに
異常の才能を生じている。現に夏休みの一日前に数学を教える桐山《きりやま》教官のお....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
しょう》さがある、中肉《ちゅうにく》の、二十五六の女である。顔は、恐ろしい野性と
異常な美しさとが、一つになったとでもいうのであろう。狭い額とゆたかな頬《ほお》と....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
じく》の寓意譚《ぐういたん》は、聞くともなく説教を聞いていた、この不幸な女の心に
異常な感動を与えました。だからこそ女は説教がすむと、眼に涙をためたまま、廊下《ろ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
い。これ私があらゆる神聖なものに誓って、保証致します。ですから、どうか私の精神に
異常がないと云う事を、御信じ下さい。さもないと、私がこの手紙を閣下に差上げる事が....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
わずら》い、三日間|人事不省《じんじふせい》なりしより、爾来《じらい》多少精神に
異常を呈せるものならんと言う。また常子夫人の発見したる忍野氏の日記に徴するも、氏....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
。――これは、「ナザレの木匠《もくしょう》の子」の教を信じない、ヨセフの心にさえ
異常な印象を与えた。彼の言葉を借りれば、「それがしも、その頃やはり御主《おんある....
「或る女」より 著者:有島武郎
re の焔《ほむら》がぐんぐん葉子の血脈にまで広がって行った。葉子はわれにもなく
異常な興奮にがたがた震え始めた。
× × ....
「星座」より 著者:有島武郎
って、彼の方に手をさし延べて彼を誘った女、童貞であるとの彼の正直な告白を聞くと、
異常な興味を現わして彼を迎えた女、少しの美しさも持ってはいないが、女であるだけに....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
の経験もみごとに失敗した。我々は彼の純粋にてかつ美しき感情をもって語られた梁川の
異常なる宗教的実験の報告を読んで、その遠神清浄なる心境に対してかぎりなき希求憧憬....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
から肩、肩から背中に流れる線は、もしそこに見守る人がいたならば、思わずぞっとして
異常な憂愁と力とを感ずるに違いない不思議に強い表現を持っていた。 しばらく釘づ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
然科学的認識(特に宇宙の問題の解釈におけるそれの有効な応用)の進歩がこれほどまで
異常な急速度を示すに至るというのはいかにして可能であろうか。これに対する答はおよ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
それに私は工場のような女が嫌いなのです。 問。被告は自分自身の精神状態について、
異常を認めるような気のしたことはないか? 答。私を狂人だと思う人があったなら、そ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
導して、正に帰せしむべきである。然るに何等玉石を顧みることなく、霊媒の全部を精神
異常者と見做して、懲罰を加えんとするに至りては、愚にあらずんば正に冒涜である。わ....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
現れていると思う。が、江口の人間的興味の後には、屡如何にしても健全とは呼び得ない
異常性が富んでいる。これは菊池が先月の文章世界で指摘しているから、今更繰返す必要....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
過をはかるというようなことさえ起こりました。いったい、こんな凶暴な事態が、こんな
異常な事態がなぜ起こるかということを、われわれは考えてみなければならぬと思うので....