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「異形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
九 丁度その頃の事でございます。洛中《らくちゅう》に一人の異形《いぎょう》な沙門《しゃもん》が現れまして、とんと今までに聞いた事のない、摩....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
に跨《またが》りて行く曲馬芝居の座頭《ざがしら》とを先に立てて、さまざまの動物と異形の人類が、絡繹《らくえき》として森蔭《もりかげ》に列を成せるその状《さま》は....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ふくれてしかも出臍《でべそ》という奴《やつ》、南瓜《かぼちゃ》の蔕《へた》ほどな異形《いぎょう》な者を片手でいじくりながら幽霊《ゆうれい》の手つきで、片手を宙に....
海異記」より 著者:泉鏡花
が呼吸吹くようなのだの、犬の背中へ炎さ絡まっているようなのだの、牛だの、馬だの、異形なものが、影燈籠見るようにふわふわまよって、さっさと駈け抜けてどこかへ行くだ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
かして通を瞰下し、 「やあ、鮮麗なり、おらが姉さん三人ござる。」 「君、君、その異形なのを空中へ顕すと、可哀相に目を廻すよ。」と言いながら、一人が、下からまた差....
薬草取」より 著者:泉鏡花
ばかり、言葉を懸ける者はなかったです。これは熨斗目の紋着振袖という、田舎に珍しい異形な扮装だったから、不思議な若殿、迂濶に物も言えないと考えたか、真昼間、狐が化....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
鉦を合わせて、トッピキ、ひゃら、ひゃら、テケレンどん、幕を煽って、どやどやと異類異形が踊って出でた。 狐が笛吹く、狸が太鼓。猫が三疋、赤手拭、すッとこ被り、吉....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ッと鳥居を潜って来たのは、三人|斉しく山伏なり。白衣に白布の顱巻したが、面こそは異形なれ。丹塗の天狗に、緑青色の般若と、面白く鼻の黄なる狐である。魔とも、妖怪変....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
く煙は、我が単衣の紺のかすりになって散らずして、かえって一抹の赤気を孕んで、異類異形に乱れたのである。 「きみ、きみ、まだなかなかかい。」 「屋根が見えるでしょ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
の時はもう内曲の者一同、傍へ参りますどころではございませんよ、何だって貴方、異類異形のものが、病人の寝間にむらむらしておりますようで、遠くにいて皆が耳を塞いで、....
星女郎」より 著者:泉鏡花
いて、今お話をしまする段になるというと、いや、我ながらあんまりな慌て方、此方こそ異形を扮装をしましたけれども、彼方は何にせよ女体でござる。風説の通り、あの峠茶屋....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
や内へ入るものがあって、急に寂しくなったと思うと、一足|後れて、暗い坂から、――異形なものが下りて来た。 疣々打った鉄棒をさし荷いに、桶屋も籠屋も手伝ったろう....
雪柳」より 著者:泉鏡花
国岡部の寺にて怪しき亡者の事 美濃国の百姓の女房|大蛇になる事 どうも灰吹から異形になって立顕われるのに、蓋をしたい、煙のようなのが多い。誰の気もおなじと見え....
迷信解」より 著者:井上円了
きは、まだ怪しむに足らぬ。もし、民家の入り口に張り付けたるものを見るときは、異類異形のものが折々掛けてある。ことに魔よけに用うるものには、平家蟹の殻へ目口をえが....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
の上に集まった。 もしそこへ出たのが、当り前の人間でなくて、昔話にあるような、異形の怪物であっても、この刹那にはそれを怪み訝るものはなかったであろう。まだ若い....