異彩[語句情報] »
異彩
「異彩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異彩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
顔を、無遠慮に打ち眺《なが》めたる渠の眼色《めざし》は、顰《ひそ》める眉の下より
異彩を放てり。 「どなたでしたか、いっこう存じません」 白糸は片頬笑《かたほえ》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。主税の肩越しにきらりと飛んで、かんてらの燻った明を切って玉のごとく、古本の上に
異彩を放った銀貨があった。 同時に、 「要るものなら買って置け。」 と※のあ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
ドでタクシーを飛ばしていた。 喬介は私よりも三年も先輩で、かつては某映画会社の
異彩ある監督として特異な地位を占めてはいたが、日本のファンの一般的な趣向と会社の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、洪邁の一家兄弟、揃いも揃って名臣であり、忠臣であり、学者であること、実に一種の
異彩を放っていると申してもよろしいくらいでありまして、宋朝が金に圧迫せられて南渡....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
のをいうべき次第であるまい。 そこで、卓子に肱をつくと、青く鮮麗に燦然として、
異彩を放つ手釦の宝石を便に、ともかくも駒を並べて見た。 王将、金銀、桂、香、飛....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、一掴み馬上に掻遣り、片手に手綱を控えながら、一蹄三歩、懸茶屋の前に来ると、件の
異彩ある目に逸疾く島野を見着けた。 「島野、」と呼懸けざま、飜然と下立ったのは滝....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
る。赤人の作中にあっては左程でもない歌だが、その他の人の歌の中にあると斯くの如く
異彩を放つ、そういう相待上の価値ということをも吾等は知る必要があるのである。 ....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
、新しい企画を樹てて貰うべしである。スターの誰彼と言わない。片隅にころがっている
異彩ある新人が発見され、平凡でない却って変り種が利用されるかもしれない。 それ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ているばかりの仕誼、わけを知ってるだけに、ひがみもあれば気が怯けるのに、目の前に
異彩を放つ山河内の姫が馬車に積んで来た一件物、お夏はまた一倍肩身が狭くなるのであ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
」と件ののみさしを行火の火入へぽんと払いた。真鍮のこの煙管さえ、その中に置いたら
異彩を放ちそうな、がらくた沢山、根附、緒〆の類。古庖丁、塵劫記などを取交ぜて、石....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ていた。その性格の一部が古川に由て作られたのは争われない。 当時の官報局は頗る
異彩があった。局長が官界の逸民たる高橋健三で、翻訳課長が学界の隠者たる浜田健次郎....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
。世にも痛快なる山かな。大雪山の西南端に孤立して、円錐形を成し、峰容大雪山の中に
異彩を放つ。眺望も北鎮岳と相伯仲す。ここにては大雪山の頂の大なることを見る能わざ....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
かくの如き東国人すなわち所謂東人は、昔の佐伯部の延長として、後の世までも武士道的
異彩を放ったものでありました。 この武士の事を、中世ではエビスと云っておりまし....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
絶し、別に一|乾坤をなして自ら仏陀の国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべきの
異彩あり。その風物習俗の奇異、耳目を聳動せしむるに足るものなきに非ず。童幼聞きて....
「作家としての問題」より 著者:小川未明
の立ち籠って、政治の前衛をもって任ずるものは、自から異いますが、なるべく、多くの
異彩ある作家が輩出して、都会を、農村をいろ/\の眼で見、描写しなければならぬと思....