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異彩を放つ
「異彩を放つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異彩を放つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
慾張って挟んだ書物の、背のクロオスの文字が、伯林の、星の光はかくぞとて、きらきら
異彩を放つのを、瓢箪式に膝に引着け、あの右角の、三等待合の入口を、叱られぬだけに....
「読書法」より 著者:戸坂潤
想史的分析が可なりよく成功していると共に、こうした諸思想家の社会学的評論としても
異彩を放つものだ。保存すべき近来の良書である。 疑問は二つある。一つは一体ファ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
の委嘱または諮詢《しじゅん》を勧請した事は、法律史上、ことに氏の伝記中において、
異彩を放つ事実の一つに属するといわなければならぬ。 一八一四年五月、ベンサムは....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
他の一軒は近代的洋風の店構えになっているのであるが、ともかくも付近に対して著しく
異彩を放つ黒焼き屋であることには昔も変わりはないようである。 いったい黒焼きが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、素人目《しろうとめ》で見て、これをこのままあの観音へ納額してみたらば、さだめて
異彩を放つであろうと思うのも無理がない――こういった絵を納めてみたいと願うのは、....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
れて保存して置くのに子々孫々まで役に立つ。 これらのトランクは、当分私達の家に
異彩を放つことだろう。書物とは限らない。英吉利から何か送るには、迷わず繊維性のト....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
のをいうべき次第であるまい。 そこで、卓子に肱をつくと、青く鮮麗に燦然として、
異彩を放つ手釦の宝石を便に、ともかくも駒を並べて見た。 王将、金銀、桂、香、飛....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
る。赤人の作中にあっては左程でもない歌だが、その他の人の歌の中にあると斯くの如く
異彩を放つ、そういう相待上の価値ということをも吾等は知る必要があるのである。 ....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
てられる計画があるというが、その時は恐らくカイロにあるすべての物を圧倒するほどに
異彩を放つであろう。....
「陳情書」より 著者:西尾正
ます。其の家は、――判乎《はっきり》記憶には在りませんが、其の貧相な路次の中では
異彩を放つ粋な小造りの二階家で、男が硝子格子に口を押し付ける程近寄せて、今晩は、....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
形成せられる学派は、すべてのシステムのうちで、真に科学を構成すべきシステムとして
異彩を放つであろう。数学を知らず、数学がいかなるものであるかをさえ正確に知らない....
「魔都」より 著者:久生十蘭
時流行のコルビジェという窓を大きく開ける式で、古いしもたやの多いこの辺ではひどく
異彩を放つ建物。崖下から仰ぎ見ると、これがまるで大きなガラスの陳列棚のように見え....
「宇都野さんの歌」より 著者:寺田寅彦
んの歌集が近き将来に世に現われる事を希望する。その歌集はおそらく今の歌壇に一つの
異彩を放つばかりでなく、現代世相の一面の活きた記録としても意義のあるものになるだ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ているばかりの仕誼、わけを知ってるだけに、ひがみもあれば気が怯けるのに、目の前に
異彩を放つ山河内の姫が馬車に積んで来た一件物、お夏はまた一倍肩身が狭くなるのであ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
。世にも痛快なる山かな。大雪山の西南端に孤立して、円錐形を成し、峰容大雪山の中に
異彩を放つ。眺望も北鎮岳と相伯仲す。ここにては大雪山の頂の大なることを見る能わざ....