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異心
「異心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。それには申年の三月に赤心報国の輩が井伊大老を殺害に及んだことは毛頭も幕府に対し
異心をはさんだのではないということから書き初めて、彼らの態度を明らかにしてあった....
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
揃いもそろっておれを疑っておる。ああ情ない。どうしてこのおれの、殿に対して何らの
異心も無いこの胸の内が通ぜぬのだろう。まだ誠がたらぬのか。(と地《つち》に坐って....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
でおいて、身の安全のためにそうした処置を敢《あ》えてした彼らの心が、阿賀妻をして
異心を持たねばならぬものと断じた。これはむちゃくちゃな理屈だ。そのくせそれが何十....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
の大将軍になって居て、其年の内に、反復常無しであった大内備前を取って押えて、今後
異心無く来り仕える筈に口約束をさせて終っている。それから、十九、二十、二十一、二....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
当りて何と為ん様子も無きに、右膳は愈々勝に乗り、 「故管領殿河内の御陣にて、表裏
異心のともがらの奸計に陥入り、俄に寄する数万の敵、味方は総州征伐のためのみの出先....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
されて追討を命ぜらるるということになった。されど我藩の如きは、聊かも朝廷に対して
異心あるのでなく、薩長等がみだりに徳川家を排斥し、横暴を極めると見るのみで、今日....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
まんまで。
世にも奇体《きたい》な名のない男!
ことに、不敵にも公儀へ対して
異心を抱くらしい口ぶり――はてどこの何やつであろう?
――と、あとを見送る源十....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
した。今後はたゞもう、誠心誠意、犬馬の労をつくして、君の馬前に討死します。毛頭、
異心をいだきません」 君前に討死します、と言ったので、一緒にいた若い妓が腹をか....
「三国志」より 著者:吉川英治
ヵ国から集まってきた将軍同志の胸には味方とはいえ、おのおの虎視|眈々たるものや、
異心があったのは、是非もないことである。 ※水関のほうからは、たえず隠密を放っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ので、「行かねばなるまい」と、起ちかけた。 関羽は、断じて引止めた。 「呂布に
異心があったらどうしますか」 「自分としては、今日まで彼に対して節義と謙譲を守っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
さし向けられたこの張遼を、何故、城門を閉じてこばむか。……ははあ、さては車冑には
異心ありとおぼえたり。よろしい、立ち帰って、この趣をありのまま丞相におつたえ申す....
「三国志」より 著者:吉川英治
何とも致し方はありません」 「……魏延、聞いたか。かならず今日のことを忘れずに、
異心を慎めよ」 玄徳にやさしく諭されて、魏延はただ感泣に咽せていた。 玄徳は....
「三国志」より 著者:吉川英治
に籠って、門を閉じたまま、ここに姿を見せていなかった。 「憎むべき反骨」 「なお
異心あるにちがいない」 騒然と、その二人に対して、非難の声が起ったが、玄徳は、....
「三国志」より 著者:吉川英治
すか、大逆の子にならんとお思い遊ばすか」 曹彰は勃然と云った。 「なんでおれに
異心などあるものか。これへ来たのは父の喪を発せんためだ」 「それなら十万人の兵隊....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
、この期になっても、 「いずれとも態度を明らかにしないで、毛利家には旧来のごとく
異心のない体を示し、もし織田勢が攻め入って来たらその時はまたそれに応じた策をとれ....