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異本
「異本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異本の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
》鵜飼徹定《うがいてつじょう》の序文と共に、出版したものである。が、そのほかにも
異本がない訳ではない。現に予が所蔵の古写本の如きは、流布本と内容を異にする個所が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
れ》一夜の忘れ形見なりと見えるが、『類聚名物考《るいじゅめいぶつこう》』四十に『
異本曾我物語』に「この虎と申す遊君は母は元来平塚の者なり、その父を尋ぬれば去《さ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
は現今とは全く異なっておった。 遊女を評定所の給仕として差出したことについて「
異本洞房語園」に次の如く記している。 吉原開基の砌《みぎり》より寛永年中まで、....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
やテオクリトスを読むにも、ダンテを読むにも、また近代の大陸文学を読むにも、英訳の
異本が幾種かあるものは、その全部とは往かないまでも、評判のあるものはなるべく沢山....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
具のそろった鞄を前に置き、痛んでいる歯を自ら治療しながら、憲章による王政の種々の
異本の差異を秘書のピロルジュ氏に書き取らせつつ、サン・ドミニク街二十七番地の自分....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
かも甚しく曰くありげなところに限って欠字になっているのである。相慶之の写本以外の
異本があるなら、見たいな。同じところが欠字になっているかしら。曰くありげとは、天....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
かりしを、武家その濫吹を鎮護せんために、安藤太というものを蝦夷管領とすともある。
異本『伯耆巻』にも、「奥州津軽の住人安東又太郎季長云々、此の安東と云は義時が代に....
「埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
太子と、その父と伯父とのみが熊野権現になるのである。しかるに同じ『熊野の本地』の
異本のなかには、さらに女主人公自身を権現とするものがある。そのためには女主人公が....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
「魯論」、「斉論」、「古論」の問題を取り挙げ、この区別は文字の変遷によって生じた
異本に過ぎぬことを綿密に論証している。そこで漢武帝の時孔子旧宅の壁中から出たと言....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
がある。またその歌集については、流布の『山家集』のほかに、早く藤岡作太郎博士の『
異本山家集』の刊行があり、その後、佐佐木信綱博士の『聞書集』の発見、伊藤嘉夫氏の....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、これが最古のものである。二天記はまた他家へも盛んに伝写されたとみえ、小倉本、
異本二天記などという別本もある。小倉には、武蔵の養子宮本伊織が家老をしていたので....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
部集』というものが結集せられ、末法の徒の有難い経典となったが、この『七部集』には
異本が多く、テキストのまだ確定しておらぬは勿論、何かというと誤写誤刻の推定のもと....