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異母
「異母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船」より 著者:島崎藤村
…… その娘は腹違いの妹の学校友達で、お新と言って、色の黒い理窟《りくつ》好な
異母妹《いもうと》とは大の仲好だった。仙台の方にあの娘達の入る学校も無いではない....
「階段」より 著者:海野十三
って事件の混乱を計画したものであろうと思われる。 友江田先生とミチ子との関係は
異母の兄妹であることが判った。妹のミチ子はその父の変質をうけ継ぎ、小さい頃から自....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
思うが、君と僕とが、戸籍の上では赤の他人でありながら、実は二人は父親を同じくする
異母兄妹なのだ。だから君と僕とが、兄妹のように似ていることが肯かれるだろう」 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
耶のうちに葬られてしまったのだよ。ところで、主人を失った黒死館では、一時算哲とは
異母姪に当る津多子――君も知ってのとおり、現在では東京神恵病院長|押鐘博士の夫人....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
たので、ついに信長、謀をもって之を暗殺した。弘治二年十一月のことである。 更に
異母兄に当る織田信広や、岩倉城主織田信安等の叛乱があったが、みな信長に平定せられ....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
っていたあの温しい眼は、今は、白く、何かを睨みつけるように見開れて動かなかった。
異母妹のナターリイは、老人の死骸に打倒れて泣いた。 長男は、根もとから折られた....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
、叔父の重武が唯一人の肉親だった。重武は重明の祖父重和の妾腹の子で、父の重行には
異母弟に当っていた。重行とは年が十ばかり違って、従って重明とは鳥渡しか違わなかっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。 よい、よい、よい。 半蔵とは対い合いに、お民の隣には仙十郎の妻で半蔵が
異母妹にあたるお喜佐も来て膳に着いていた。お喜佐は目を細くして、若い夫のほれぼれ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
妻がいた。 「お民、吾家の周囲も変わったなあ。新宅(下隣にある青山の分家、半蔵が
異母妹お喜佐の旧居)も貸すことにしたね。変わった人が下隣にできたぞ。あの洒落もの....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
幸御進発間際に急逝せられた。天武紀に、七年夏四月、丁亥朔、欲矣とある。高市皇子は
異母弟の間柄にあらせられる。御墓は赤穂にあり、今は赤尾に作っている。 一首の意....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
のタシにもならないのだが、シシとして、たゆまず貞吉を咒い邪魔がっているのである。
異母妹は衣子と云った。五ツ違いであるが、これが又、御多分にもれず当家のヤッカイ者....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
と弟の文彦は母ある子であった。風守の母が死んで、後添いにできたのが光子と文彦だ。
異母弟の文彦を後嗣にするため、風守をキチガイ扱いに座敷牢へ閉じこめてしまったのだ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
とゝのつたようである。 京野等志は、やがて家族の一員として、迎えるはずの、例の
異母弟たる赤ん坊を数に入れなくてもよいか、どうか、迷つていた。が、それを言い出す....
「白っぽい洋服」より 著者:田中貢太郎
兄の名にして実印ではないがその印も捺してあった。それに兄は先妻の子で務のためには
異母兄であるが、親のように平生家の面倒を見てくれているので、気の小さな務は宅地を....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
でないこと、他国で生まれ揺籃のままK市に移されたこと、「ソーベ」と呼ぶ十一違いの
異母兄があること、彼の母は早逝したこと、私の母は後添であること、彼女の名は「キセ....