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異物
「異物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
当強靭なものもあるのですよ」 「なるほど」 と法水も頷いたが、 「全く腹腔内の
異物が、こんな所に散乱しているなんて、実に薄気味悪い話です。けれども、そう思うの....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
しはそこまで考えつかなかったよ。うむ、分るぞ分るぞ。たとえば、脳髄の中にその黒い
異物である斑点が交っていれば、脳髄の働きを害するにちがいない。――うむ、それはす....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
たものが、赤は黒くなり、青は黄味を帯びています。これは水ではげたのではなく、何か
異物、たとえば他の薬品を塗りつけたことが想像されます。 「ほほう、これは面白い発....
「蠅」より 著者:海野十三
いう可能性について論及したに過ぎない。あの蠅を捕獲して、六本の脚と一個の口吻とに
異物が附着しているかいないかを、顕微鏡の下に調べる。もし何物か附著していることを....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
体験の正直な証言の中に、現在の例と同じような過程で途方もないところから紛れ込んだ
異物が少しもはいっていないという断定は、神様でないかぎりだれにもできそうにない。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
家には猴を飼ってありましたが、厩の者が夜なかに起きて馬に秣をやりに行くと、そこに
異物を見ました。 それは驢馬のような物で、黒い毛が生えていました。しかも手足は....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
持つ電子望遠鏡が、最近はからずも月世界の赤道のすこし北にある「危難の海」に奇怪な
異物を発見したためであった。その
異物はたいへん小さい白い点であって、正体はまだ何....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
因であった。それは物理学や化学で知られている自然の要因と並存して新しい要素的な特
異物として登場してくる処の、独自の一個の自然要因と考えられねばならない。けれども....
「轆轤首」より 著者:田中貢太郎
っていたが、やがて驚いたように顔をあげた。 「これこそ、まごう方なき轆轤首、南方
異物志に、轆轤首の項には赤い文字が見られるとあるが、御覧なされい、これこの通りじ....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
にも映る。その映像は甚だ不安定だ。カヨは恐らく、自分の不安定な映像を、或る瞬間に
異物と感ずるのであろう。そして驚いた身振りのために、視角が変って、映像はすっかり....
「迷信解」より 著者:井上円了
。 第九、鬼門、方位のこと。 第十、日柄、縁起のこと。 第十一、怪火、怪音および
異物のこと。等 右の説明を試むる前に、妖怪の種類に四とおりあることを述べねばな....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
人は云った、 「僧の云った事は全く本当としか思われない。これはろくろ首だ。「南方
異物志」に、本当のろくろ首の項の上には、いつでも一種の赤い文字が見られると書いて....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
ているのだから大変だ。一人でいちばんたくさんあったのは百十傷であった。傷を洗い、
異物を取り除き、整形縫合し、薬をつけて、繃帯を巻き上げるまでには、一人の患者にず....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
のでございます。が、どうにも不安でならなかったものですから、納骨堂にあるお遺骨を
異物と思わせようと苦心した結果、あなたにお目にかかったあの暴風雨の日などは、女優....
「濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
に優びかなり。かゝるものは打ち屈んじたるこそ哀なれ。うたても花やかなる哉とて、「
異物は喰はで、仏の御|撤下物をのみ喰ふが、いと貴き事かな」と云ふ気色を見て、「何....