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異状
「異状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
は維新《いしん》後材木商を営み、失敗に失敗を重ねた揚句《あげく》、とうとう精神に
異状を来した。死んだのは明治《めいじ》十年の秋、行年《ぎょうねん》はちょうど五十....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
加志は伯母の話によれば、その後《ご》も二度ばかり乳を吐いた。しかし幸い脳にだけは
異状も来ずにいるらしかった。伯母はまだこのほかに看護婦は気立ての善さそうなこと、....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ん》の譏《そしり》を免れないものかも知れません。しかし、これは一方では私の精神に
異状がないと云う事を証明すると同時に、また一方ではこう云う事実も古来決して絶無で....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
タヌピイロオ》の社の机にせっせと書類を調べていた。机を向かい合わせた同僚にも格別
異状などは見えなかったそうである。が、一段落ついたと見え、巻煙草《まきたばこ》を....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
せるもののごとし。いかんとなれば背後はすでにいったんわが眼《まなこ》に検察して、
異状なしと認めてこれを放免したるものなればなり。 兇徒《きょうと》あり、白刃を....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
とび出して来た。聴いていると、何だか眠くなるようであった。 しかし別に期待した
異状はなかった。 「駄目だなあ」私は、次の音盤をかけた。これも
異状なしであった。....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
愕いた。 「で、赤ん坊はどうした」 「赤ちゃんは幸いにも生きている。しかし果して
異状なしかどうだか、もうすこし生長してみないと分らないそうだ」 「そうか。気の毒....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
“……高度二万八千メートルニ達セシトコロ、突然|轟音トトモニハゲシキ震動ヲ受ケ、
異状ニ突入セリ、噴射機関等ニマッタク
異状ナキニモカカワラズ、速度計ハ零ヲ指シ、舵....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
でござります。」 法師はかくと聞いて眉を顰め、 「笑い事ではない。何かお爺様に
異状でもありましたか。」 「お目こぼしでござります、」 と姥は謹んだ、顔色して....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
降ったような白鷺の巣であった。近く大正の末である。一夜に二件、人間二人、もの凄い
異状が起った。 その一人は、近国の門閥家で、地方的に名望権威があって、我が儘の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
したんだろう、おかしいな。」 二 とは思ったが、歴々彼処に、何の
異状なく彳んだのが見えるから、憂慮にも及ぶまい。念のために声を懸けて呼ぼうにも、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、日の色も、従うて蟻の動くのも、露のこぼるるのも知らねばならないので、地平線上に
異状を呈した、モウセンゴケの作用は、むしろ渠がいまだかつて見も聞きもしなかったほ....
「取舵」より 著者:泉鏡花
の色はあるいは黒く、あるいは蒼く、濃緑に、浅葱に、朱のごとく、雪のごとく、激しく
異状を示したり。 邇く水陸を画れる一帯の連山中に崛起せる、御神楽嶽飯豊山の腰を....
「米」より 著者:犬田卯
野良支度になろうとはしなかった。それに彼女はこないだから多少、自分の体の生理的な
異状をも自覚していたのであった。 今夜はお寺で部落常会があるから、各戸、かなら....
「迷信解」より 著者:井上円了
も、普通の状態によるに、最初は多少の原因によりて病気を起こし、あるときより精神の
異状をきたし、われは何々の狐なりと自らいい出だし、その身振りはおのずから狐のごと....