異腹[語句情報] » 異腹

「異腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
ごう》では屈指の分限者《ぶげんじゃ》に相違ないと云う事、初子の父の栗原は彼の母の異腹《はらちがい》の弟で、政治家として今日の位置に漕《こぎ》つけるまでには、一方....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
語ったが、そんなら七ヶ年|以来《このかた》夫婦の如く暮して来たお賤は、我が為には異腹《はらちがい》の妹《いもと》であったかと、総身《そうしん》から冷《つめた》い....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
孝の方が二十日余りも早かったのだが、信雄が信忠と母を同じくしたのに引かえ、信孝は異腹であったので、人々信雄を尊んで、早速に信長に報告し、次男と云うことになって仕....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
様|御下向のうわさがあるのみだった。 宮様は親子内親王という。京都にある帝とは異腹の御兄妹である。先帝第八の皇女であらせらるるくらいだから、御姉妹も多かった。....
縮図」より 著者:徳田秋声
、近所に別居している松島の第一夫人や、中野に邸宅を構えて裕福に暮らしている故人の異腹の妹などの集まった席上で、松次の身の振り方について評議が行なわれ、とにかく三....
」より 著者:徳田秋声
「真実に新ちゃんはいい男ですね。」お銀は甥の留守の時笹村に話しかけた。甥は笹村の異腹の姉の子であった。 「叔父甥と言っても、ちっともお話なんぞなさいませんね。見....
ほととぎす」より 著者:堀辰雄
方もこの世に思いの残るような事ばかりであろうと思いやられるのだった。 その人の異腹の兄だという、その禅師の君はいま京に住まっておられた。その禅師の君と、その話....
源氏物語」より 著者:紫式部
させないようにしていたが、姫君の所へは出入りを許してあった。自分が生きている間は異腹の兄弟でも同じであるが、死んでからのことを思うと早くから親しませておくほうが....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。そのほかには少しの欠点もない。中将は父の源氏がゆっくりと話している間に、この異腹の姉の顔を一度のぞいて知りたいとは平生から願っていることであったから、隅の部....
源氏物語」より 著者:紫式部
親密でなければならないのであるが、実際はそうでもなかった。藤中納言は自身で来て、異腹の弟の中将や弁の公達といっしょになり、今日の世話に立ち働いていた。父の関白が....
盈虚」より 著者:中島敦
中で、唯《ただ》一つの慰めは、息子の公子疾であった。現在の衛侯|輒《ちょう》とは異腹の弟だが、※※が戚の地に入ると直ぐに、母親と共に父の許に赴き、其処で一緒に暮....
取舵」より 著者:泉鏡花
りし数十の漁船は、北るがごとく漕戻しつ。観音丸にちかづくものは櫓綱を弛めて、この異腹の兄弟の前途を危わしげに目送せり。 やがて遙に能生を認めたる辺にて、天色は....
」より 著者:マクラウドフィオナ
一つの事を言おう、アルトニヤ人の誰にもお前を与えることは出来ない、お前はアルトの異腹の兄弟クレヴィンの妻となれ」 「琴手クレヴィンの」 「そうだ」 「あの人は年....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
とを感じさせられるのである。 定家の嫡子は為家、建久九年に生れ、次男であった。異腹の兄は清家、後|光家といって、事あって廃嫡され、五位侍従に終って髪を剃った。....