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「異邦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異邦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
紙には反物のたとう紙で綿密に上表紙がかけてあった。男である園は、その部屋の中では異邦人であることをいつでも感じないではいられなかった。 けれどもその感じは彼を....
想片」より 著者:有島武郎
観そのものである。種子を取りまいてその生長にかかわるすべての物質は、種子にとって異邦物ではなく、種子そのものの一部分となってくるのと同様であろう。人は大地を踏む....
船医の立場」より 著者:菊池寛
営所を囲む木柵《もくさく》に多くの男女が集っていた。ワトソンが行くと、彼らはこの異邦人を恐れるように避けた。ワトソンは木柵に身を寄せながら営所の中を覗き込んだ。....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
じた主義を真面目に実行するところの精神がありませぬあいだは、神はわれわれにとって異邦人であります。それゆえにわれわれは神がわれわれに知らしたことをそのまま実行い....
新生」より 著者:島崎藤村
して無頓着に成った。彼は自分の部屋の窓の下を往来する人達と全く無関係に生きて行く異邦の旅人としての自分の身をその客舎に見つけた。あだかも獄裡《ごくり》に繋《つな....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いかにも地味な口調で語り合っている。そういう時に君だけは自分が彼らの間に不思議な異邦人である事に気づく。同じ艪をあやつり、同じ帆綱をあつかいながら、なんという悲....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
著されし書なるが故に自から猶太的思想を帯びて来世的ならざるを得ないと云うならば、異邦人に由て異邦人のために著わされし路加伝も亦イエスの言行を伝うるに方て来世を背....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
えられた伝説だった。 「仔鯨を撃つ捕鯨船には、必らず祟りがある」 宗教に凝った異邦人達は、そう云って仔鯨撃ちを恐れ拒んだ。もっともそれでなくても、鯨類の保護の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
うな人でなしに、真に平和修好の使節を乗せて来たなら。古来この国に住むものは、そう異邦から渡って来た人たちを毛ぎらいする民族でもなかった。むしろそれらの人たちをよ....
久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
を感じた。皮膚でもって、字づらだけで作品をみている、と思ったのだ。然し、辻氏の「異邦人」をよんで、はるかに、私の作品より高いところにあるものだとは感じた。 候....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
、もしくは不感性の娘があるとしたら、それはその化粧法の如く心まで欧化してしまった異邦人の娘である。もう祖国の娘ではない。国土から咲いた花ではない。 どこまでも....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
長平に語ってきかせた。記代子が長平の姪であることは百も承知のはずだが、千里距てた異邦人の噂をしているように、うっかりすると聞きもらしそうな話し方であった。 長....
異邦人』に就いて」より 著者:坂口安吾
異邦人』に就て 坂口安吾 木枯国で捕虜となった一日本人市民が、その地の病院勤務....
百喩経」より 著者:岡本かの子
て居るような間柄だった。人情として誰一人にも手を加えられなかった。犠牲にするのは異邦人の案内者より他になかった。みんなは案内者を殺した。 大風は去った。案内者....
西航日録」より 著者:井上円了
をするかといえば、はるかな東方に向かって皇恩を祈るのである。) 百発砲声破早晨、異邦猶見歳華新、挙杯先祝天皇寿、不背真為日本民。 (百発の大砲の音が早朝の静けさ....