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「畳む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

畳むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
なものを感じながら高価な仏蘭西香料を買ったりするのだった。またときには露店が店を畳む時刻まで街角のレストランに腰をかけていた。ストーヴに暖められ、ピアノトリオに....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
た、人の金ただ借りれると思たはりまんのか」と頭にのせた手拭をとってもう一つ小さく畳むと、また頭の上にのせた。その晩万年筆屋は立ち退いた。安二郎はこの間口一間の家....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の女に相違ないことを半七は確かめた。彼女は果たして鳥屋の女房であった。彼女は店を畳むときに、飼い残りの鶏をどこへか売ったのであろうと察せられた。 それにしても....
婦系図」より 著者:泉鏡花
叱られたって、柔順に別れ話にした早瀬さんも感心だろう。 だが、何だ、それで家を畳むんじゃねえ。若い掏摸が遣損なって、人中で面を打たれながら、お助け、と瞬するか....
妖術」より 著者:泉鏡花
で、火鉢を前に控えながら、羽織を脱いだ。 それを取って、すらりと扱いて、綺麗に畳む。 「これは憚り、いいえ、それには。」 「まあ、好きにおさせなさいまし。」 ....
赤外線男」より 著者:海野十三
ような文句が縷々として続いていた。桃枝は学士の内妻に等しい情人だった。彼は手紙を畳むと、ポケットへねじこんだ。 (今日はいっそのこと、仕事をよして、これから桃枝....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
殿、幣殿、拝殿の三棟に別れて、社務所、参籠所も附属している。案内記に「四壁|屋蓋畳むに石をもってし」とある通りで、奥宮を中心とする山の町である。実に日本国中、最....
獄中記」より 著者:大杉栄
いった。 「その箱は棚の上へあげろ。よし。それから布団は枕をこっちにして二枚折に畳むんだ。よし。あとはまたあした教えてやる。すぐ寝ろ。」 看守は簡単に言い終る....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
捻平に声懸けられて、わずかに顔を振上げながら、きりきりと一まず閉じると、その扇を畳むに連れて、今まで、濶と瞳を張って見据えていた眼を、次第に塞いだ弥次郎兵衛は、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
包みを解くと、中が古風にも竹の子弁当。……御存じはございますまい、三組の食籠で、畳むと入子に重るやつでね。案ずるまでもありませんや、お道姉さんが心入れのお手料理....
深川女房」より 著者:小栗風葉
のを知らねえで……外はお寒うがしょう?」 「何だね! この暖かいのに」と蝙蝠傘を畳む。 「え、そりゃお天気ですからね」と為さんこのところ少てれの気味。 お光は....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
卦算を圧えにして、調合した散薬を匙で程よく分配するのです。終れば片端から外して折畳むのですが、よく馴れていて、見ていると面白いようでした。幾つかを重ねて袋に入れ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
うにと頼んでいる。しかし彼女は焼かないことにした。彼女は意地悪の指で丹念に手紙を畳むと、脇にしまった。後の証拠のためにである。老夫人の耳に届いた噂話が、どの程度....
四つの都」より 著者:織田作之助
な」 鶴三、新聞を畳んで懐へ入れて、歩きかけ、 鶴三「おや、やんだようだ」 傘を畳む。 二三 町の一角。 新聞配達の少年、町角を曲る。犬が吠えている。 庄平が、....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
ルプスの雪でもなかった。それは孫兵衛山から台倉高山に至る間の山稜を超えて、翠紫を畳む幾重の山のあなたに、岸を噛む怒濤の砕けて白泡空に跳るかと怪まれる長大なる雪の....