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畳一
「畳一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畳一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
目をつぶって、水気の来たような指を組んで、魍魎《もうりょう》のごとくのっさりと、
畳一ぱいに坐っていました。さっきこの婆のものを云う声が、蟇《がま》の呟くようだっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
で自分の食べるものを料理するという事にもかつてない物珍しさとうれしさとを感じた。
畳一|畳《じょう》がた日のさしこむ茶の間の六畳で二人は朝餉《あさげ》の膳《ぜん》....
「世相」より 著者:織田作之助
を誘われた。彼女は私より二つ下の二十七歳、路地長屋の爪楊枝の職人の二階を借りた六
畳一間ぐらしの貧乏な育ち方をして来たが、十三の歳母親が死んだ晩、通夜にやって来た....
「親子」より 著者:有島武郎
似げなく、自分にも思いがけないようなため息を吐いた。彼は思わず父を見上げた。父は
畳一畳ほどの前をじっと見守って遠いことでも考えているようだった。 「俺しがこうし....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
、仲の町が夜の舞台で、楽屋の中入といった様子で、下戸までもつい一口|飲る。 八
畳一杯|赫と陽気で、ちょうどその時分に、中びけの鉄棒が、近くから遠くへ、次第に幽....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
こに大きな姿見が据えてある。お君さんがその前に立って、しきりに姿を気にしていた。
畳一枚ほどに切れている細長い囲炉裡には、この暑いのに、燃木が四、五本もくべてあっ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
がその室の至るところに怪しい立体面を築き上げていました。室の壁紙は白と黒と黄との
畳一枚位もあろうと思われる三角形ですさまじい宇宙をつくっていました。七色とりどり....
「蠅」より 著者:海野十三
のが降りてきた。よく見ると、それには盥のような眼玉が二つ、クルクルと動いていた。
畳一枚ぐらいもあるような翅がプルンプルンと顫動していた。物凄い怪物だッ! 「先生....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
で、試みにかの槐の下を五、六尺ほど掘ってみると、その根はもう枯れていて、その下に
畳一枚ほどの大きい蝦蟆がうずくまっているのを発見した。蝦蟆は銅で作られた太い筆筒....
「超人間X号」より 著者:海野十三
ゴマ!」 これはどうしたことだろう、何もなかった白壁《しらかべ》には、ポカリと
畳一畳ぐらいの大きな穴があいたではないか。博士のからだは、音もなくその穴の中へと....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
私の父方の祖父才一郎が嘉永五年七月一日、僅か六
畳一間の栗林家の門部屋で病死した時――栗林家の次男坊に生れた才一郎は、この時すで....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
きいものを結び付けることが流行り、吹流しだとか、一間もあろうかと思う張子の筆や、
畳一畳敷ほどの西瓜の作ものなどを附け、竹では撓まって保てなくなると、屋の棟に飾っ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
楽が起って来た。――ギギィッという軋るような音がして、途端に一同の目の前の床が、
畳一枚ほどガッと持ち上ってきたと思うと、それは上に迫り上って一つの四角な檻となっ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
したッていいますが、すぐに祝酒だ、とぬかしゃあがって。店をあけたまま、見通しの六
畳一間で、裏長屋の総井戸をその鍋釜一ツかけない乾いた台所から見晴しながら、箒を畳....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
つを使って、押立ちながら、二尺に余る大蟹の真赤に茹る処をほかほかと引上げ引上げ、
畳一畳ほどの筵の台へ、見る間に堆く積む光景は、油地獄で、むかしキリシタンをゆでこ....