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畳敷
「畳敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畳敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
》を知ると、芋《いも》の穴の中へ伝吉を隠した。芋の穴と云うのは芋を囲《かこ》う一
畳敷ばかりの土室《つちむろ》である。伝吉はその穴の中に俵の藁《わら》をかぶったま....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ら、「御覧なさい」と云う手真似《てまね》をした。ここは柔道の道場を思わせる、広い
畳敷の病室だった。そうしてその畳の上には、ざっと二十人近い女の患者が、一様に鼠《....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
てくれたのだ。私はすぐに立って事務室のほうへかけつけた。事務室の障子をあけて、二
畳敷きほどもある大囲炉裏の切られた台所に出て見ると、そこの土間に、一人の男がまだ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
の少い色白なのが、窓、欄干を覗く、松の中を、攀じ上るように三階へ案内した。――十
畳敷。……柱も天井も丈夫造りで、床の間の誂えにもいささかの厭味がない、玄関つきと....
「海異記」より 著者:泉鏡花
が漕いでいる艪の方へさ、ぶくぶくと泳いで来たが、急にぼやっと拡がった、狸の睾丸八
畳敷よ。 そこら一面、波が黄色に光っただね。 その中に、はあ、細長い、ぬめら....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
、われらの住家である。小川の辺の小高いところに、自然木で組み立てて、板をはった十
畳敷の小屋ができた。屋根には蕈の生えた太い木が五、六本のっている。小屋の入口には....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
細道じゃ。 時に棟に通ずる件の階子を棟よりして入来る、岩代国麻耶郡猪苗代の城、千
畳敷の主、亀姫の供頭、朱の盤坊、大山伏の扮装、頭に犀のごとき角一つあり、眼円かに....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ものを結び付けることが流行り、吹流しだとか、一間もあろうかと思う張子の筆や、畳一
畳敷ほどの西瓜の作ものなどを附け、竹では撓まって保てなくなると、屋の棟に飾ったな....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
して天井を見上げると、あすこから、と言わしっけ。仁右衛門、それ、の、西の鉢前の十
畳敷の隅ッこ。あの大掃除の検査の時さ、お巡査様が階子さして、天井裏へ瓦斯を点けて....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
飛んで来て、腰を極めて、爪先で、ついつい、 「ちょっと、こちらへ。」 と古畳八
畳敷、狸を想う真中へ、性の抜けた、べろべろの赤毛氈。四角でもなし、円でもなし、真....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
一 雪の夜路の、人影もない真白な中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六
畳敷、机の傍なる置炬燵に、肩まで入って待っていたのが、するりと起直った、逢いに来....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
めに太陽の光を浴びつつ、白泡立てて渦いた、その凄かった事と云ったら。 天守の千
畳敷へ打込んだ、関東勢の大砲が炎を吐いて転がる中に、淀君をはじめ、夥多の美人の、....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
りまする。笑うやら、喚くやら、ばたばたという内に、お鉄が障子を閉めました。後の十
畳敷は寂然と致し、二筋の燈心は二人の姿と、床の間の花と神農様の像を、朦朧と照しま....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い……。』 私は急いで巌から降りてそこへ行って見ると、案に違わず巌山の底に八|
畳敷ほどの洞窟が天然自然に出来て居り、そして其所には御神体をはじめ、私が日頃愛用....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
蒲団一枚ずつ抱えて寝に行きました。木戸があって玄関まであって室数が七ツばかり、十
畳敷の座敷には袋戸棚、床の間づき、時代にてらてら艶が着いて戸棚の戸なんぞは、金箔....