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「畳針〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

畳針の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「え! だんな! 針じゃござんせんか! ミスヤのもめん針にしちゃ長すぎるし、畳針にしちゃ短すぎるし、なんです! なんです! いってえなんの針ですかい!」 ....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
まで取り揃えて御座います。お高価《たか》いようでお安いもの……」 「エエ、これが畳針《ふとはり》でございます。厚いものをお綴じになるので、市中の相場が一本十二銭....
十二支考」より 著者:南方熊楠
国の産は数寸を出ねど、熱地の海のは二フィートに至る。楊枝魚《ようじうお》和歌山で畳針、海草郡下津浦でニシドチ、田辺辺で竜宮の使いというは海馬と近属ながら尾に捲く....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は刀の提げ緒を取って襷《たすき》にかけ、 「亭主、大急ぎ、焼酎《しょうちゅう》と畳針を心配してくれ、それに麻糸と晒《さらし》」 といいつけるのを仏頂寺弥助がおっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぶり。おいおい進むと、その人相年齢すらも確《しか》とは判然しない。それと違って、畳針と、焼酎と、麻の糸とで縫い上げた療治ぶりは、手に取るように細かい。これは仏頂....
山の別荘の少年」より 著者:豊島与志雄
かばん》をひらきました。しばらくかちゃかちゃやってから、注射器をとりだしました。畳針《たたみばり》のような大きな針がついていました。彼はしばらく、幹《みき》をな....
妖婦」より 著者:織田作之助
。それほど荒木はつまらぬ男だったのだ。 日頃おとなしい父親も、この時はさすがに畳針を持って、二階まで安子を追いかけたが、母親が泣いて停めると、埼玉県の坂戸町に....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
しは阿波へ入り込むと同時に、すぐに畳屋に化けていたよ、紺の股引にお城半纏を着て、畳針のおかげで御普請を幸いに、本丸にまで入り込んだものじゃ。そして、いたる所を畳....