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畷
「畷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の通り、稲塚、稲田、粟黍の実る時は、平家の大軍を走らした水鳥ほどの羽音を立てて、
畷行き、畔行くものを驚かす、夥多しい群団をなす。鳴子も引板も、半ば――これがため....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
小さいから馬の腹を透かして雨上りの松並木、青田の縁の用水に、白鷺の遠く飛ぶまで、
畷がずっと見渡されて、西日がほんのり紅いのに、急な大雨で往来もばったり、その親仁....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
円 やあ、お精が出ます。（と声を掛く。） 百合 はい。（見向く。） 学円 途中、
畷の竹藪の処へ出て……暗くなった処で、今しがた聞きました。時を打ったはこの鐘でし....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
覗く、御嶽の顋に呑まれていたのであった。 「気をつけておいでなせえましよ。」……
畷は荒れて、洪水に松の並木も倒れた。ただ畔のような街道端まで、福井の車夫は、笠を....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
で、道が一坂小だかくなって、三方は見通しの原で、東に一帯の薬師山の下が、幅の広い
畷になる。桂谷と言うのへ通ずる街道である。病院の背後を劃って、蜿々と続いた松まじ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
がある。――そこで同車で乗出した。 大仁の町を過ぎて、三福、田京、守木、宗光寺
畷、南条――といえば北条の話が出た。……四日町を抜けて、それから小四郎の江間、長....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
」 湯の町の女は、先に立って導いた。…… 湖のなぐれに道を廻ると、松山へ続く
畷らしいのは、ほかほかと土が白い。草のもみじを、嫁菜のおくれ咲が彩って、枯蘆に陽....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
大蛇が出るとも、そんな風説は近頃では聞きませんが、いやな事は、このさきの街道――
畷の中にあった、というんだよ。寺の前を通る道は、古い水戸街道なんだそうだね。」 ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ふッつりと猟を断つ、慰みの無益の殺生は、断つわいやい。 畠二三枚、つい近い、前
畷の夜の雪路を、狸が葬式を真似るように、陰々と火がともれて、人影のざわざわと通り....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
だ人気のない処と遁げましたわ、知らぬ他国の奥州くんだり、東西も弁えない、心細い、
畷道。赤い月は、野末に一つ、あるけれど、もと末も分らない、雲を落ちた水のような畝....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
。 （踏切の方へ行って見ましょう。水が出たそうですから。） 百姓家二三軒でもう
畷だが、あすこは一方畑だから、じとじと濡れてるばかり。片方に田はあっても線路へ掛....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
畝った処が、心覚えより早や目前に近い。 が、そこまでは並木の下を、例に因って、
畷の松が高く、蔭が出来て涼いから、洋傘を畳んで支いて、立場の方を振返ると、農家は....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
見るにつけて、凄じき大濤の雪の風情を思いながら、旅の心も身に沁みて通過ぎました。
畷道少しばかり、菜種の畦を入った処に、志す庵が見えました。侘しい一軒家の平屋です....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
村はずれの田畝まで、一息に離れました。 蛙がよく鳴いています。その水田の方へ、
畷へ切れて、蛙が、中でも、ことこところころ、よく鳴頻ってる田のへりへ腰を落し、ゆ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ると春風今を駘蕩に、蕨、独活の香に酔ったほど、馬は、うかうかと歩行き出したが、横
畷少しばかり入ると、真向うに樹立深く、住静めた見事な門構の屋敷が見える。掃清めた....