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疇
「疇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
いような心もちがした。が、講義は教授の風采とは没交渉に、その面倒なカント哲学の範
疇《カテゴリイ》の議論から始められた。俊助は専門の英文学の講義よりも、反《かえ》....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ら摘出した“ゼムリヤ号発狂事件”や、水戸の唱えている“地球発狂事件”は共にこの範
疇に入るものといってよろしかろう。最後の第四説として“原子爆弾説”がある。 こ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
中にある。凡ての報償は私の中にある。 例えばここに或る田園がある。その中には田
疇と、山林と、道路と、家屋とが散在して、人々は各※その或る部分を私有し、田園の整....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を一面に於て唱えながらも、これを刷新せんとする彼らの案は、依然として寒帯文明の範
疇を出ることができない。…… とにかく、日本民族は明白に、その特色をもっている....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
本は統制主義國家として獨立せねばならぬ アメリカは今日、日本を自由主義國家の範
疇において獨立せしめんとしている。しかし嚴密なる意味における自由主義國家は、既に....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ているのも淵だ――」 父親は大体こんなふうに淵が水を受け入れる諸条件を九つの範
疇にまとめて、 「これを九淵の説と云って、水はいろいろの変化で向うが、それを受け....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だがしかしだ。前者は自然の理法を否定せんとし、後者はそれを法則的に、経験科学の範
疇で律しようとしている――。法水君、この結論には、いったいどういう論法が必要なん....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
形を言っておくと、前後が岡になっていて、その中間十町ばかりが低地であり、左右|田
疇に連っている。 幸村の兵が、今しも、この岡を半ばまで押上げたと思うと、政宗の....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
の持つエロチシズムが多分に働いているかもしれないが。) ここにはむろん芸術の範
疇の問題もある。すなわち絵画は文学よりも国際性があり、散文は詩よりも国際性に富む....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
の例外を除くところの日本の森羅万象がアツという間もなく、忽然としてろくでなしの範
疇の中へ沈没してしまう壮観はちよつと比類のないものである。 しかもこの警句の内....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
演劇」の「かたち」は限定されることになる。 そこで、ひろい意味では「演劇」の範
疇にいれてもよいが、厳密には、それぞれの、固有の名称で呼ばれなければならぬような....
「わが文学修業」より 著者:織田作之助
いうことを意味する。もっとも、こう言ったからとて、私は西鶴を狭義の大坂人という範
疇の中にせばめる積りはない。私にとって、大阪人とは地理的なものを意味しない。スタ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
を、現象界の彼岸に応用して実在を多数と見て(Dinge an sich)分量の範
疇をこれに応用したことは、たしかに矛盾といわなければならぬ。現象は活動的のもので....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、かつ消化されなければならぬ」と彼は書いているが、彼自身の著作がこのなかのどの範
疇に属するかは、おのずから明らかである。そこで人は、書いてある政治的処世の方法の....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
一種独特の自然を構成したのである。 もとより風物の種類は、『古今集』この方の範
疇を出ない。花を愛し、月を愛でるのであるが、その同じ自然を如何な角度から見るかと....