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疎遠
「疎遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疎遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
とに不平を持たない。しかしそれは第三者と全然見ず知らずの間がらであるか、或は極く
疎遠の間がらであるか、どちらかであることを条件としている。
又
わた....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
こへ石を落したように、鶺鴒《せきれい》が一羽舞い下《さが》って来た。鶺鴒も彼には
疎遠《そえん》ではない。あの小さい尻尾《しっぽ》を振るのは彼を案内する信号である....
「或る女」より 著者:有島武郎
けるために不意に倉地が姿を隠さねばならぬらしい事は確かだった。それにしても倉地の
疎遠は一向《ひたすら》に葉子には憎かった。
ある時葉子は激しく倉地に迫ってその....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
のと云う事は一切忘れ、成る丈世を広く、余命を面白く送ると云い、朋友は勿論、是まで
疎遠に成って居る人や多少の恨みの有る人にまで招状を発し、来る者は拒まずと云う珍し....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ら医専へ行き度いという申出を拒否されていた。そんなことが益々親子の感情を対立させ
疎遠させた。私の姉は、数学が飛びぬけてよく出来、夜通しでも、三角や因数分解をとく....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
関に勤めるようにしたので、ヴィール夫人とバーグレーヴ夫人との交通は自然だんだんに
疎遠になった。といって、別に二人の間が気まずくなったというわけではなかったが、と....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ります。だいたいこの計算によれば間違いはありません。 私はお得意に対しては、親
疎遠近の別なく、いっさい平等に売るべしと主張いたします。つまり正札厳守ということ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
邸通いはやめました。 学校を終るとすぐに縁づきましたので、福羽氏にはいよいよ御
疎遠になりましたが、事あるごとにお知らせだけはしておりました。 御文細々拝見、先....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
あった。漱石氏の最後の手紙に、 「身体やら心やらその他色々の事情のためつい故人に
疎遠に相成るようの傾」云々とあるのは独り漱石氏の感懐のみではない。かくの如くして....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
と交際を初めたのが一葉の家へ出入する機会となったのであろう。その頃から私とは段々
疎遠となって余り往来しなくなったゆえ、その頃からの緑雨の晩年期については殆んど何....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
峰と相契合するには余りに距離があり過ぎたから、応酬接見数回を重ねた後はイツとなく
疎遠となってしまった。が、天下の英才を集めて『国民之友』を賑わすのを片時も怠らな....
「判決」より 著者:カフカフランツ
と異郷にとどまることだろう、友人たちの忠告に不愉快な思いをし、友人たちといっそう
疎遠になって。ところで、もしほんとうに忠告に従って帰郷し、郷里で――もちろんこれ....
「妻」より 著者:神西清
方をするか、どんな客に会うかには、一さいお構いなしであった。すでに久しくお互いに
疎遠になって、すぐ上と下の階に住みながら近いという気さえせぬ人たちのように、私た....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
て大いに温和なる説法をするようになったが、これが為にいわゆる悪人往生の方にはやや
疎遠になり、その流れを受けた後の浄土宗の方では、同じ念仏宗でも、エタ非人などとい....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
る。」 僕等は「天神様」の外へ出た後「船橋屋」の葛餅を食う相談した。が、本所に
疎遠になった僕には「船橋屋」も容易に見つからなかった。僕はやむを得ず荒物屋の前に....