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疎開
「疎開〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疎開の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
描いていた。 「そりゃ惜しいことしましたな。帝塚山のお宅の方は助かったんだから、
疎開させとけば……」と言い掛けると、 「阿呆らしい。帝塚山へあの本が置けるもので....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
こうなると攻撃する方も在来のような線の敵兵では大損害を受けますから、十分縦深に
疎開し、やはり面の戦力を発揮することにつとめます。横隊戦術は前に申しましたように....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
も阪神へ入ることは見え透いている。 帝都、名古屋の前例に鑑み、阪神の重要工場は
疎開を完了していたかどうか。川西航空機は如何? 神戸製鋼は如何? ◯一昨日、永田....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
てやろうということにでもなれば、その時はまた喜んでお墓の中にも入りましょう。ただ
疎開だ、避難だという場合には骨壺などまで持ち歩く必要はありませんから、それこそ庭....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
らぬところにある彼の邸へ歩いて帰った。彼は目下やもめ暮しであった。家族たちはまだ
疎開《そかい》先に釘《くぎ》づけのままだった。東京のこの家には、家政婦の老婆が一....
「金属人間」より 著者:海野十三
もっか身よりもなく、ただひとりであった。両親と弟妹《ていまい》の四人は、戦争中に
疎開先《そかいさき》で戦災《せんさい》にあって死に、東京で大学院学生兼助手をして....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
た。体の病弱な姉は休学して、三つ県を越した南の小さな島へ療養にゆき、つづいて弟も
疎開したが私は居残って女学校へ通っていた。母は度々その島と往復し、魚や米を土産に....
「火の扉」より 著者:岸田国士
という生徒は、二年生にしちや、すこし生意気だでな。わしは前まえからそう思つとる。
疎開児童の一種の優越感と、おやじが陸軍大佐だつていうことを妙に鼻にかけるところが....
「光は影を」より 著者:岸田国士
く広東で受取つたきり、それが最後であつたから、一家をあげて父の郷里の宇都宮近在へ
疎開しようとしている消息を知つているだけである。手紙にはたいてい、父の教訓めいた....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
ええ、三高です」 と、いうと、なつかしそうに、 「私、京都ですの。沼津の田舎へ
疎開していたのですけど、これから……」 「京都へ……?」 「ええ」 じゃ、自分....
「中毒」より 著者:織田作之助
と、また文学論に移ったということである。十日ほどして同じ雑誌でT・Mという福井に
疎開している詩人をよんで、また座談会をした。T・Iが司会、酒……。やはりT・Mは....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
大阪へ出掛け、他アやんを見舞ったのである。 実のところ、他アやんはもうどっかへ
疎開していて、会えないだろうと私は諦めていた。ところが、行ってみると、他アやんは....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
上げた高さはかなりです。昔の本でしたら、非常な量になりましょう。 戦争のために
疎開する時、活字の本を先に出して、木版本を入れた本箱を後にしたのは、なるべく身近....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
竹村春枝さんに会ったわ。あのひと、また来ているの?」 と話をかえた。 「そう。
疎開先から戻って来たけれど行くところがないんですって、それで当分薬局を手伝って頂....
「三の酉」より 著者:久保田万太郎
ロリとしたもので ――あたし、戦争がすんだあとでも、まだ、ずッと、上州の田舎に
疎開したまんまでいたこと、いつか、話したでしょう? ……その間でも、あたし、お酉....