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「疏水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疏水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
戸や大阪などに比べて小であったとは思われない。 明治になって、槇村京都府知事が疏水《そすい》工事を起して、琵琶湖の水を京に引いてきた。この工事は京都の市民によ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
責任感に悩まされていた。そんな野崎の気持がほかの二人にも乗り移って、結局わざわざ疏水伝いに銀閣寺の停留所附近まで出掛けて、珈琲をのんだりし、ろくに勉強も出来なか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
枯れがれな太田新田の間の新道を進んだ。 瑞見は遠く蝦夷の方で採薬、薬園、病院、疏水、養蚕等の施設を早く目論んでいる時で、函館の新開地にこの横浜を思い比べ、牡丹....
播州平野」より 著者:宮本百合子
利通時代の開発事業の一つとして、何百町歩かの草地を開墾し、遠くの湖水から灌漑用の疏水を引いた。その事業に賛成して、町の資産家たちは「社」を組織して、資金を出した....
村の三代」より 著者:宮本百合子
を発端とし、大久保利通の内地の開発事業の一つの典型として、福島県でも猪苗代湖から疏水をこしらえて、これまでは鎌戦さのあった草地へ田を作る仕事に着手した。 さま....
十二支考」より 著者:南方熊楠
山には勤鼠大明神の祠あり。これは昔七座の神に命ぜられて堤に穴を穿《うが》ち、湖を疏水《そすい》した鼠で、猫を惧れて出なんだので七座の神が鼠を捕らねば蚤《のみ》を....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
山の小姓であったが、兼山が藩のために各地に土木事業を興して、不毛の地を開墾したり疏水を通じたりする時には、いつも其の傍にいたので、しぜんと其の技術を習得したもの....
田舎がえり」より 著者:林芙美子
済ませて、わたしは山科《やましな》の方へ行ってみた。十年位前だったかに、大津から疏水《そすい》下りをしたことがあったが、その折に見た山科の青葉は心に浸《し》みて....
溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
一 或る図書館員の話 掘割の橋のたもとで、いつも自動車を乗り捨てた。 眼の届く限り真直な疏水堀で、両岸に道が通じ、所々に橋があって、黒ずんだ木の欄干が水の上に重り合って....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
せき》とを備えて吸い取りまた吐き出す二重管の装置は、人の肺臓のように簡単な初歩の疏水の方法であって、既にイギリスの多くの村では充分に行なわれてることであるが、そ....
酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
三条駅へ着いたが、京都にも別段たよる人がない。ひねもす、岡崎公園の石垣の上から疏水の流れを眺めていた。夕方になると、水の面に冷たい時雨が、ばらばらと降った。 ....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
いたことだろう。爺むさい掛け方で……。 やがて、あの人は銀閣寺の停留所附近から疏水伝いに折れて、やっと鹿ヶ谷まで辿りつく。けれど、やはり肝心の家の門はくぐらず....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
つくと、蘆《あし》を一本折り取って、それを鞭のように振りながら、湖尻《こじり》の疏水《そすい》のほうへ歩き出した。……今日こそ佐伯氏に例の話を切りだしてみようと....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
った。 古白君歿後暫くして余は京都に行った。あたかもそれは内国博覧会の開設中で疏水の横に沢山の売店が並んでいた光景などが目に浮ぶ。 京都には鼠骨君がいた。鼠....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
う面です。 閑静だから、こっちへ――といって、さも待設けてでもいたように、……疏水ですか、あの川が窓下をすぐに通る、離座敷へ案内をすると、蒲団を敷かせる。乗っ....