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「疏通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疏通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
る。もっとも原作に多少の改削を加えたのは、師弟の作法というより、読む人への意味の疏通《そつう》をより良くするために外ならない。それは僅に修辞上の箇所にとどまって....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
《めいりょう》でなければならん、せっかくの名答も不明暸であるならば、相互の意志が疏通せぬような不都合に陥ります。いわゆる技巧と称するものは、この答案を明暸にする....
案内者」より 著者:寺田寅彦
うもしかたがない。これらはおそらくどちらも悪いかどちらも悪くないかである。意志が疏通しないから起こる誤解である。 しかしあらゆる誤解を予想してこれに備える事は....
ツルゲーネフの生きかた」より 著者:宮本百合子
トルストイとの衝突は既に文学史的な出来ごとである。二人の大作家が十五年間も意志の疏通を欠いたばかりか、或る時は本気で決闘までしかねまじい程激昂したには種々の原因....
姑と嫁について」より 著者:与謝野晶子
干びている。社会の要部が老人と青年とで成立つものである以上、老人と青年との意志が疏通しなければ社会は順調に進歩しない訳である。年齢の差などがあって少しは疏通しに....
何故の出兵か」より 著者:与謝野晶子
一人|福田徳三博士は「これを個人の間において言うも、相互間の親密を増進し、意志の疏通を計るがために、先ず人を殴打するということのあるべき道理は決してない。国際間....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うとするのだか、その見当は、どうもわかり兼ねます。それでも、お銀様との間に意志の疏通が出来ているならば、どこかで謀《しめ》し合わせて二人で身を隠すものとも思われ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
えば、最近下水道の大部分は、下流の方の最後の橋下に移さねばならなかった。 弁と疏通堰《そつうせき》とを備えて吸い取りまた吐き出す二重管の装置は、人の肺臓のよう....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
、元版、明版、竜蔵版とかれこれ読みあわせてみると、随所に章句の異同や遺漏があって疏通をさまたげるところへ、天海版、黄檗版、卍蔵版などの新訳が入ってきたので、いっ....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
やってくるはずのものが、たまたま、昨夜、到着したというのにすぎない。自在に男女の疏通が行なわれる特飲街の習俗の中では、貞操とか貞潔とかいう観念は、かつて生活の仕....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
て魚籠の中に入った。業というか気合というか、なににせよ、剣道の至奥《しおう》にも疏通《そつう》した、すさまじいばかりの気魄であった。 「どうだ、ひょろ松、合点《....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
最大原因を為しているのであった。 居士は余と他の人々との間に立って両者の意思を疏通することを常に忘れなかった。が、また他の人々の意見を借りて居士自身の不平を余....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
者を、檜枝岐から雇うことにしてあったのである、ところが白井が依頼して遣った意味が疏通しなかったと見えて、檜枝岐から来た人夫は平ヶ岳で案外時日がかかるので、蕎麦蒔....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
に奏下せよとの詔を受けて、天皇と臣民との間に関白という一の障屏を設け、直接上下の疏通することなきに至らしめたと同じように、天下の武家はまずことごとく鎌倉を経由し....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
部落の人々はそれを喜ばずして、かえって盛んに解放を求めます。ここにお互いに意思の疏通を欠いて、反感を生ずるような遺憾な場合が少くなかったのであります。しかるに今....