»
疑
「疑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
れば、なぜまたあの理想家の三浦ともあるものが、離婚を断行しないのでしょう。姦通の
疑惑は抱いていても、その証拠がないからでしょうか。それともあるいは証拠があっても....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
う。これもそう無性《むしょう》に喜ぶほど、悪魔の成功だったかどうか、作者は甚だ懐
疑的である。
(大正十一年八月)....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
。もし鎮守府司令長官も頓死《とんし》か何か遂げたとすれば、――この場合はいささか
疑問かも知れない。が、まず猫ほどではないにしろ、勝手の違う気だけは起ったはずであ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
つ》を装って、これらの細作の眼を欺くと共に、併せてまた、その放埓に欺かれた同志の
疑惑をも解かなければならなかった。山科《やましな》や円山《まるやま》の謀議の昔を....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
至上主義に傾いていますから。……勿論近代的恋愛でしょうね?
保吉 さあ、それは
疑問ですね。近代的|懐
疑《かいぎ》とか、近代的盗賊とか、近代的|白髪染《しらがぞ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
理ではなかったのに違いない。なぜと言えば、――
半三郎のまず警戒したのは同僚の
疑惑を避けることである。これは彼の苦心の中でも比較的楽な方《ほう》だったかも知れ....
「運」より 著者:芥川竜之介
でございます。
「物にもよりますが、こんな財物《たから》を持っているからは、もう
疑《うたがい》はございませぬ。引剥《ひはぎ》でなければ、物盗《ものと》りでござい....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
間へでも隠れたのか、影も形も見当りません。 「何か御用ですか?」 婆さんはさも
疑わしそうに、じろじろ相手の顔を見ました。 「お前さんは占い者だろう?」 日本....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
こともあった。尤も実際口へ入れて見たら、予期通り一杯やれるかどうか、その辺は頗る
疑問である。多分はいくら香料をかけても、揉み上げにしみこんだ煙草の匂は羊肉の匂の....
「狂女」より 著者:秋田滋
来ないので、病院に収容したままになっているのではあるまいか。しかし、僕のこうした
疑惑をはらしてくれるような材料は何ひとつ無かった。とは云うものの、時がたつにつれ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
彼らは何ごとに依らず物ごとを信じ切っていた。私もやはり両親のように物ごとを信じて
疑わなかった。 永いあいだ私はゆめが破れてしまったのは、晩年になってからのこと....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
|暮方二人の男来りてその家の建具類を持ち去る、大方家作主の雇いしものならんと人も
疑わざりしを、深沢が見咎めて糺せば詞窮して担いかけし障子|襖を其所へ捨て逃げ去り....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
い習慣がつかないで、すらすらと出るようになる。 「決して他人の言うてくれる批評を
疑うな。」 姪のライド嬢はしばらくファラデーの所に厄介になっていたが、その話に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
びとのなかには、彼が事件をもっとくわしく知っているのだが、話そうとしないのだ、と
疑うものもあった。 しかし、田舎の老婆たちは、こういうことについては最上の審判....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
いるかどうかを誰が知ろう。 八月十日―― 誰が知ろう。私を、この私を、誰かが
疑うだろうか。ことに私には殺すべき何等の理由もない人を私が選んだ場合、誰かが私を....