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「疑い深い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疑い深いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
ざいませぬ。」 そこにまた短い沈黙があった。 「ではどうじゃな、数馬の気質は？疑い深いとでも思ったことはないか？」 「疑い深い気質とは思いませぬ。どちらかと申....
「俊寛」より 著者:菊池寛
、いつの間にか、急ぎ足になるのをどうともすることができなかった。 そのうちに、疑い深い俊寛の瞳にも、遥かかなたの水平線に、波に浮んでいる白千鳥のように、白い帆....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
じてだまされるのは、まことのものを疑うよりどれほどまさっているだろう。なぜ人間は疑い深いのであろう。長い間互いにだましたり、だまされたりし過ぎたからだ。もしこの....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
い、墓から出た状の進藤延一。 がっしとまた胸を絞って、 「でありますが、余りお疑い深いのも罪なものでございます。」 と、もの言う都度、肩から暗くなって、蝋燭....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
見る。 九 自分で人を食えば、人から食われる恐れがあるので、皆疑い深い目付をして顔と顔と覗き合う。この心さえ除き去れば安心して仕事が出来、道を....
「光は影を」より 著者:岸田国士
をして、今も、早くご挨拶に出ろというのに、ぐずぐずしとるんです。女ちゆうもんは、疑い深いもんですなあ、わしや驚いた」 「なるほど、そう思われるのは無理もないかも....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
つの路を私に暗示した。それは如何なる寂しさにも、私に路を歩ませる力を与えた。私は疑い深い目で、行き交う全ての女を見た。行き過ぎてのち、あれがその人ではないのかと....
「九段」より 著者:坂口安吾
が彼に話しかけても、その声が彼の耳にとどくことはメッタになかった。 平山中尉の疑い深い招請に応じたおかげで、悩める人間がどのような発作を起すかということをツブ....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
しその眼は鋭利そうに光っていた。口元にはいつも微笑が浮かんでいた。 判事はなお疑い深い眼で彼を睨んでいた。二人の巡査が彼の前に進んだ。青年は愉快そうに、 「判....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
に深い注意を払ってきた。そして、自分の子が産まれてからというものは、さらに深刻な疑い深いと思えるほどの眼光を、家内の挙措に注いだのである。 私には、自分の子よ....
「食堂」より 著者:島崎藤村
生きながらえていて、一回の震災の打撃に小竹の店の再興も覚束ないと聞いたなら、あの疑い深い人はまた何を言い出したかも知れない。三代と続く商家も少いとよく言われるよ....
「一人舞台」より 著者:ストリンドベリアウグスト
、丁度｜繭から絹糸を引き出すように手繰出すのだわ。その手繰出されたわたしの考えは疑い深い考えかも知れない。わたしにもよく思って見なくちゃあ分からないわ。一体お前....
「港に着いた黒んぼ」より 著者:小川未明
の調子に合わせて、唄をうたって踊っていたのは、たしかにあなたです。」と、黒んぼは疑い深い目つきで、娘をながめながらいいました。 姉は、これを聞くと、さらにびっ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は徒に尻込みして容易に金網に近づこうとしなかった。 「じりじりしますね。何でああ疑い深いでしょう。」と医専の一人が舌うちした。 「そこがいわゆる狐疑逡巡というや....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
起さぬものがありましょう。しかも世人の多くはただその外面のみの観察から、部落民は疑い深いものである、近づき難いものであるときめてしまって、他人のことよりもまずわ....