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疑団
「疑団〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑団の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
。
「しかるについ両三日前に至って、美学研究の際ふとその理由を発見したので多年の
疑団《ぎだん》は一度に氷解。漆桶《しっつう》を抜くがごとく痛快なる悟りを得て歓天....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
明治廿二年十月中旬 香夢楼に坐して梅廼家かほる識す 上篇(
疑団) 世に無惨なる話しは数々あれど本年七月五日の朝築地|字海軍原の傍らなる川....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
罪無きに相違なし」と呟き「罪なき者が何故に自ら白状したるや」と怪み、胸に此二個の
疑団闘い、微睡みもせず夜を明しぬ 読者よ、初めて此犯罪に疑いを容れたるは実に余....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
であっても、それが丁度、当該審査委員の正に求めている壷にはまり、その委員の刻下の
疑団を氷解せしめるような要点に触れている場合には、その審査委員の眼にとっては、そ....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
や、すでに青年の胸を悩まし、圧しつけ、迷わしめているところの、活ける人生の実践的
疑団でなくてはならないのだ。 かくてこそ倫理学の書をひもどくや、自分の悩んでい....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
にわだかまる疑問を解くにたる明らかなる知恵がほしかったのだ。 それでは彼の胸裡の
疑団とはどんなものであったか。 第一には何故正しく、名分あるものが落魄して、不....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
って真実のあるところを求めなば、信疑たちまちところを異にして、昨日の所信は今日の
疑団となり、今日の所疑は明日氷解することもあらん。学者勉めざるべからざるなり。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
稲妻のごとく、胸間にひらめき渡る同情の念を禁ずることを得なかった。自分の不思議が
疑団氷解。さらりと胸がすくと、わざとではなかったが、何となく無愛想にあしらったの....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
さらに思う。曩日の感夢、おおむね事実と適中するもののごとしと。これ、そもそも予が
疑団いよいよ凝結して、氷釈するあたわざるゆえんなり。それ、およそ夢は、つねに五官....