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疑点
「疑点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
もう目的を達したんですから」 流石は捜査課長だけあって、誰も考えつかないような
疑点を示したのだった。だがそのときだった。例の隠れ柱が音もなくパックリと口を開き....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
とじこもって写生していたと云うのだ。これは確かに可怪しい。ここへ洋画趣味の医師が
疑点を持ったのだ。すると、たとい写実派の川口でも、時には写実を離れて頭だけで描く....
「読書法」より 著者:戸坂潤
れたということである。だがそれだけに又、私がこの日本伝統の問題に関して懐いている
疑点が、クローズ・アップされたことを意識する。 本書は四つの部分から成り立って....
「科学者とあたま」より 著者:寺田寅彦
の悪い人にでも容易にわかったと思われるような尋常|茶飯事の中に、何かしら不可解な
疑点を認めそうしてその闡明に苦吟するということが、単なる科学教育者にはとにかく、....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
食の用意ができた、と窓の内から声がかかるのである。 図鑑を見ただけで、なんらの
疑点もなく明確にこれだと決定できる場合は存外少ない。ほとんど同じではあるが、どう....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
想は新人の間に最も認めらるる思想であって、ここに私は主としてこの思想に対する私の
疑点を述べたいのである。このほかになお一般に絶対に肉交を是認する思想がある。その....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
かったと見ている。むしろ妹さん以外の人物へ、新しい嫌疑の眼が向けられ、妹さんの容
疑点数はいくらか減ったようにも思われる」 「さあ、その話――今日の調べの話をすっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
というのが……」 そこで福村が邂逅《かいこう》の顛末《てんまつ》と、五七の桐の
疑点とを物語ると、聞いていたお絹の面に、安からぬ色が浮びます。 二人がお取膳で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りがたないなりゆきと言わねばならぬ。 兵馬はそのことから、七兵衛なる者に対する
疑点が深くなりました。もしも彼は表面あんなことにしていて、内実はこんな悪事を働い....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
人のことは、思い出さなかったし、また、どうして彼女が、私のホテルを知ったかという
疑点も、別に質そうとはしなかった。彼女が、それをも直ぐに、彼女の「読心術」の能力....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
間にあったのです」 「それでは、寺の物ですな」 「そうかも知れません」 兵馬の
疑点が一歩ずつ深く進んで行きました。身に寸鉄を帯びざることは、智識の誇りではある....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
に基督教も仏教も研究するだけはして見たのだが、それが根本的に私の意に適せず、或る
疑点は誰れに質問しても明答を得ない。そこで、自分でバイブルも見るし、仏経も随分読....
「切捨御免」より 著者:坂口安吾
は当然だと思ったにひきかえ、藤田刑事部長が、たぶん真犯人ではない、と否定し、たゞ
疑点の釈明をもとめるため出頭をもとめただけで、この程度の容疑者は他にもあり、これ....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
者がありません。また、果たしてこれが説明し得べきものであるかいなやということも、
疑点の存するところである。ゆえに、私はその理由を説明することはこれを後日に譲り、....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ること、なども書いてはある。そんなことはどうでもよい。目前、ここにもう一つ重大な
疑点がある。エセックスを取り巻く人々の、くゎっとなった頭は断定する――いっさいは....