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疑義
「疑義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
残る二人の方は、案外にも彼らの友人がその家庭に対して採《と》るべき方針についての
疑義を私に訊《き》こうとした。したがってこれは私の講演を、どう実社会に応用して好....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
いて、向上|求道《ぐどう》の念に切なるがため、壇下に、わが不穏底《ふおんてい》の
疑義を解釈せんと欲したる清浄心《しょうじょうしん》の発現にほかならず。このゆえに....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
るから、首都は首都であっても果して地理学上、中国の首都といえるかどうかについて、
疑義をもったようであった。 しかし馮大監は、それは本日の使命の外のことであるか....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
らく黙っていたが、 「太政官でも、新律綱領で敵討を公許したことについては、その後
疑義を持ち、大学の教授たちの意見をきくために御下問状が発せられたが、教授たちから....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は私服に命じて戸外に立たしめ、自分は種々と工夫を凝らして鍵盤を押し、何より根本の
疑義であるところの倍音を証明しようとしたが、その実験はついに空しく終ってしまった....
「黴」より 著者:徳田秋声
いう抱負は、病に臥してから一層先生の頭脳に確かめられて来たようであった。「人生の
疑義」という翻訳書が、しばらく先生の枕頭にあった。 「これを読んでごらん、文章も....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
財の再整理。――順一にはまた急な用件が山積した。相談相手の清二は、しかし、末節に
疑義を挿《はさ》むばかりで、一向てきぱきしたところがなかった。順一はピシピシと鞭....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
説明の個処に他ならない。氏は云っている、「技術が労働手段の体制であるか否かに尚も
疑義をもつものは、マルクスのこの命題(これはレーニンの『カール・マルクス』で唯物....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
び上がってくる。 彼の死には、人間の生理が一変してしまわないかぎり、どこにも、
疑義の欠片さえ差し挟む余地がないのである。 七日後に、蘇った基督があるというけ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
じめ、めいめいのひまな時間にその幾節かを読んでおき、その中から、心にふれたとか、
疑義があるとかいうような節をだれからでも発表して、それについて相互に意見を述べあ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
礼をつくし、は余計だわ。妻として取扱わざること、なんて、それもアイマイよ。解釈に
疑義を生じそうだわ」 「生じるね。妻としての義務を負わさざることか」 「妻として....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
熊城は、妖しい霧の渦に巻かれているような思いがしたが、なお二つ三つ、残っている
疑義を取り纏めねばならなかった。 「それでは、舞台の上にいた孔雀が、どうして奈落....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
権威は絶対であって、片言隻句ことごとく神聖視されて、敗戦後各分野で権威や神聖への
疑義が提出されているのに、文壇の権威は少しも疑われていないのは、何たる怠慢であろ....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
してこんなまねは出来ぬ。と恋愛論を長々と述べ、なお金を請求したことについて検事は
疑義を有せらるる如きも、前記の如きあばずれ女は勿論金の問題に来るはずである。何の....
「それから」より 著者:夏目漱石
振り動かしてみた。彼は昔から今日までの思索家の、屡《しばしば》繰り返した無意義な
疑義を、又脳裏に拈定《ねんてい》するに堪えなかった。その姿のちらりと眼前に起った....