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疑雲
「疑雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のに、その現場へ姿を見せない事からして大きな不審でした。行ってみるとさらに大きな
疑雲を残して、いずれかへ逸早く姿をかくしたあとでしたから、退屈男の言葉の鋭く冴え....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
み! 事実はがぜんここにいたって妖々《ようよう》と、さらにいっそうの怪奇ななぞと
疑雲に包まれ終わったかと思われましたが、しかし、両名の陳述を聴取するや同時、さえ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
番をして、みずから帳場に監視の役を行なっていると称した番頭十兵衛に、当然のごとく
疑雲が深まりましたので、烱々《けいけい》と鋭くその身辺に、名人独特のなにものも見....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
盗みだろうとはすでに見きわめがついていましたが、七郎兵衛一家の上に、陳述のような
疑雲がかかっているとするなら、ここに事件は意想外な方向への急転直下を始めかけまし....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
したが、すなわち第一は、なんびとか久之進一家の内情を熟知している者によって、あの
疑雲に包まれている秘密の殿堂をあばこうという方法で、第二は、ほかならぬあばたの敬....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
へ売ったか。身軽な子どもと売った先との間のつながりを見つけ出したら、このあやしき
疑雲はおのずから解けてくるのです。 名人の手は、しきりとあごのあたりを去来しつ....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
、人一倍、利口な男なので、それと色には出さず、さまざまの苦心をして、情婦をめぐる
疑雲について、発見につとめた。鬼神のような其の男は、なにもかも知ってしまった。二....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
「役場へゆくんだ」 この深夜に役場へゆくのはなんのためだろう、巌の頭に一朶の
疑雲がただようた。とかれはさらにおどろくべきものを見た、父は役場の入り口から入ら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ローマ皇帝)。それは明瞭《めいりょう》で直截《ちょくせつ》で公明であって、何らの
疑雲をも起こさせないことである。しかしながら、隔離生活の権利は、その障害と弊害と....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
並行する母性憎があるという。その愛憎並存を老齢のまきにあてて、この事件はますます
疑雲におおわれてしまった。 老齢によくある耗弱の発作だろうか。そうとすれば、ま....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
痛感します。ママは外国の此の恐ろしい戦闘準備を見ないから呑気で居られるわ。近頃の
疑雲のただよう欧洲に於いて私共は今直ちに非常時訓練をして居なければ駄目だと思うの....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
力者でありたいのです。何とかして、真犯人を見つけて、あなたに覆いかぶさろうとする
疑雲を散らしたいと思うのです。あなたが何の用事で、又、如何なる事情のもとに大平家....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
な眼ざしで、万吉が、その手紙、またほかの四、五通、残らず読んでみた時に、すべての
疑雲は晴れていた。かれの想像は当っていた。 吉原の仲之町、そこの夜桜よりは桐佐....