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「疱瘡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疱瘡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
われた事、北《きた》の方《かた》は去年の冬、御隠れになってしまった事、若君も重い疱瘡《もがさ》のために、その跡を御追いなすった事、今ではあなたの御家族の中でも、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
間もおとなしく、容貌《きりょう》もまんざらでないんですが、可哀そうに、子供の時に疱瘡《ほうそう》が眼に入ったもんですから、右の片眼が見えなくなってしまいました」....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「今じゃあ種痘《しゅとう》と云いますが、江戸時代から明治の初年まではみんな植疱瘡《うえぼうそう》と云っていました。その癖が付いていて、わたくしのような昔者《....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いって来た。かれは赭《あか》ら顔の小ぶとりに肥《ふと》った男で、左の眉のはずれに疱瘡《ほうそう》の痕が二つばかり大きく残っているのが眼についた。彼は下谷《したや....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も気質もすぐれて美しいお方であったが、その美しい姫様は明けて十七という今年の春、疱瘡神に呪われて菩提所の石の下へ送られてしまった。あまりの嘆きに取りつめて母の奥....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
見られねえ位で、近所のお岩さまの株を取りそうな女ですよ。可哀そうに、よっぽど重い疱瘡に祟られたらしい。それでもまあ年頃だから、万次郎と出来合った……。と云っても....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出して、こりゃあ占めたと思ったが、他人の空似でやっぱりいけねえ。柳橋を引いてから疱瘡をしたと云えば云うのだが、例の女の顔はきのう今日の疱瘡の痕じゃあねえ。だが、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
立っていたので、物に慣れている彼等も少しくぎょっとした。女は十六、七で、顔に薄い疱瘡の痕をぱらぱらと残しているのを瑕にして、色の小白い、容貌の悪くない娘であった....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
た中の河内か、(廂はずれに山見る眉)峰の茶店に茶汲女が赤前垂というのが事実なら、疱瘡の神の建場でも差支えん。湯の尾峠を越そうとも思います。――落着く前は京都です....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
ったものなら、可いことにして、まつわって、からむも可いけれど、芳さん、ありゃ猫の疱瘡とでもいうのかしら。からだじゅう一杯のできもので、一々|膿をもって、まるで、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
せいだ、熱だよ。姉さんも知ってるだろうが、熱じゃ色々な事を見るものさ。疫の神だの疱瘡の神だのと、よく言うじゃないか、みんなこれは病人がその熱の形を見るんだっさ。....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
たるべく決心し、アイル・オブ・マンのモーグフォルド教会に赴任した。在職中たまたま疱瘡が流行して、死者続出の有様であったが、モーゼスは敢然として病者の介抱救護に当....
風波」より 著者:井上紅梅
い。三年このかた彼がこの著物に手を通したのは只の二度切りで、一度は彼の大きらいな疱瘡の阿四が病気した時、もう一度は彼の店を叩き壊した魯太爺が死んだ時だ。そうして....
多神教」より 著者:泉鏡花
ます、その願掛けなんでございますもの。 神職 町にも、村にも、この八里四方、目下疱瘡も、はしかもない、何の疾だ。 お沢 はい…… 禰宜 何病じゃ。 お沢 はい、....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ったようだ。 が、長崎渡りの珍菓として賞でられた軽焼があまねく世間に広がったは疱瘡痲疹の流行が原因していた。江戸時代には一と口に痲疹は命定め、疱瘡は容貌定めと....