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「疳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
びれた気色《けしき》などは見えない。色の浅黒い、筋肉の引き緊《しま》った、多少|癖《かんぺき》のあるらしい顔には決心の影さえ仄《ほの》めいている。治修はまずこ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
いなな》きかたをした。何とも言われぬ?――いや、何とも言われぬではない。俺はその走《かんばし》った声の中に確かに馬の笑ったのを感じた。馬のみならず俺の喉《のど....
或る女」より 著者:有島武郎
間に勢いよく玄関の格子戸《こうしど》ががらっとあいて「おゝ寒い」という貞世の声が高《かんだか》く聞こえた。時間でもないので葉子は思わずぎょっとして倉地から飛び....
星座」より 著者:有島武郎
を聞いているんじゃない。知らずば教えてつかわそう。サムソンというんだ」 綺麗な高《かんだか》い、少し野趣《やしゅ》を帯びた笑声が弾《はじ》けるように響いた。....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
もとまるほどであるから、時々は物忘れをしたり、呼んでも返辞が遅かったりして、母の癪《かんしゃく》にさわったことも度々あった。僕が居なくなってから二十日許り経っ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れが君なのか。私は驚きながら改めてその男をしげしげと見直さなければならなかった。のために背たけも伸び切らない、どこか病質にさえ見えた悒鬱な少年時代の君の面影は....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
さりとて怒ってばかりもおられず、憎んでばかりもおられず、いまいましく片意地に張った中にも娘を愛する念も交って、賢いようでも年が若いから一筋に思いこんで迷っ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
アンと、そしてもう一人は男の声だった。言葉は、フランス語だった。男の声は、いやに高い。アンが、もうすこし低く喋ってはと注意したが、その男の声は地声とみえて一向....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
両手を拡げて救いを求めているようです。 「どこからあの家へ行けるんだろう」と兄が高い声で叫びました。 「ほら、あすこに門のようなものが見えていますよ」と私は道....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と、銑吉との間へ入って腰を掛けた、中でも、脊のひょろりと高い、色の白い美童だが、の虫のせいであろう、……優しい眉と、細い目の、ぴりぴりと昆虫の触角のごとく絶え....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
す。)その頃の様子を察しているから、お京さん――ままならない思遣りのじれったさの癪筋で、ご存じの通り、一うちの眉を顰めながら、(……町内ですよ、ここの。いま私....
露肆」より 著者:泉鏡花
覗いて、橙色の背広を着、小造りなのが立ったと思うと、 「大福餅、暖い!」 また走った声の下、ちょいと蹲む、と疾い事、筒服の膝をとんと揃えて、横から当って、婦....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
ボー……ンと鳴り渡るというような鐘の声とは違って、また格別な、あのカン……と響くの音色を聴くと、慄然と身慄せずにいられなかった。つまり押しくるめていえば学士会....
妖怪学」より 著者:井上円了
り。 マジナイ療法 余、マジナイの種類を集めたる小冊子を読み、その中に「小児のの虫を取るマジナイ」と題する一項あるを見る。その法、実に奇にして怪しまざるを得....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
対して臆病なりしかど、家人に対して大胆にていはゆる湾泊を極めたりき。余は甚だしき性にて毎朝衣服を母なる人に着せてもらひしが、常に一度にては済まず、何処か気持|....