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疳性
「疳性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疳性の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
などをすると、そっち此方《こっち》戸締をしたり、一日取ちらかった其処《そこ》らを
疳性《かんしょう》らしく取片着けたりしていたが、そのうちに夫婦の間にぼつぼつ話が....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
るものか。議論は議論としてこの宿直がいよいよおれの番に廻《まわ》って来た。一体|
疳性《かんしょう》だから夜具《やぐ》蒲団《ふとん》などは自分のものへ楽に寝ないと....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
屋さんというのは、妻が長年仕立物を頼んでいた、近所の頭のお神さんのことで、庸三も
疳性のそのお神さんの手に縫ったものを着つけると、誰の縫ったものでも、ぴたり気持に....
「黴」より 著者:徳田秋声
た。 「そうですか。」 女は鬢の紊れ毛を掻き揚げながら振り顧った。 「でも私、
疳性ですから。」 六 笹村は机の前に飽きると、莨を袂へ入れて、深山の....
「清貧の書」より 著者:林芙美子
うそく》を釘《くぎ》箱の中から探し出すと、灯をつけて台所のある部屋《へや》の方へ
疳性《かんしょう》らしく歩いて行った。真中の暗い部屋に取り残された私は、仕方なく....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
のを見て、サイは何故となく伏目になった。上野の駅からこの三十四五の痩せぎすな女の
疳性《かんしょう》らしい横顔がサイにいい印象を与えていなかったのであった。 そ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
対して臆病なりしかど、家人に対して大胆にていはゆる湾泊を極めたりき。余は甚だしき
疳性にて毎朝衣服を母なる人に着せてもらひしが、常に一度にては済まず、何処か気持|....