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疵口
「疵口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疵口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ち京じゅうの大きい噂となった。勿論、誰もその事実を知った者はないが、二つの死骸の
疵口《きずぐち》から考えると、実雅がまず兼輔を切り殺して、自分はその場から少し距....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
おどり》をやったであろう、ちょっと清心丹《せいしんたん》でも噛砕《かみくだ》いて
疵口《きずぐち》へつけたらどうだと、だいぶ世の中の事に気がついて来たわ。抓《つね....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
付かれたのであった。土地に馴れない旅人はとかくに山蛭の不意撃ちを食って、吸われた
疵口の血がなかなか止まらないものである。妙義の妓は啣《ふく》み水でその血を洗うこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、まあ、いい塩梅にその後再びそんな真似をする奴も出ませんでした。今日ならば死骸の
疵口をあらためただけで、人間が咬んだのか、獣が咬んだのか、そのくらいのことはすぐ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んで、疵を洗って手当てをして、その晩はともかくも寝てしまったが、明くる朝になると
疵口がいよいよ痛む。刀の先が少しあたっただけで、さのみに深い疵でも無いんですが、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たりを突かれているらしかった。七兵衛が死骸をかかえ起して、胸をくつろげて先ずその
疵口をあらためると、からだはまだ血温があった。たった今|殺られたにしては、なにか....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
まに両膝を折って体をかがめるとひとしく横にころがってしまう。消毒の係りはただちに
疵口をふさぎ、そのほか口鼻|肛門等いっさい体液の漏泄を防ぐ手数をとる。三人の牧夫....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たらしい疵のあとが薄く残っていたが、それはもう五、六日以上を経過したものらしく、
疵口も大抵かわいて癒合していた。この疵はゆうべの事件に関係のないことが十分に判っ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いたが最後、容易に離れまいとするのを無理に引きちぎって投げ捨てると、三角に裂けた
疵口から真紅な血が止め度もなしにぽとぽとと流れて出ます。 「いつの間にか、やられ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
られていたところを、野良犬か狼のような獣のために片足を啖い切られたらしいと、その
疵口の模様によって庄兵衛は判断した。 こうなると、夫婦はいよいよ不憫が増して来....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
えた懐紙は手にも耐らず染まったので、花の上に棄てた。一点紅、お雪は口を着けてその
疵口を吸ったのである。 唇が触れた時、少年は清しい目を※って屹と見たが、また閉....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
掻いつまんで申上げることに致します。 叔父の頭を石でぶち割ったというのは、その
疵口ばかりでなく、血に染みた大きい切石がその近所に捨ててあったのを見て、すぐにそ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
それが怒り狂うブルドッグだとしても、きっとしっかり押えつけていたことだろう。私は
疵口から流れ出た血を見た。血というものは、なんて美しい、赤い、艶のいい、明るいも....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
それはわたしもその場に立会って知っています。和泉屋でも大騒ぎをして、医者を呼んで
疵口を縫わせて、色々に手当をしたが、二日二晩苦しみ通して、とうとう息を引き取った....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
三回も打ちつづけられると大抵の者は皮肉が破れて血が流れる。牢屋の下男はすぐにその
疵口に砂をふりかけて血止めをして、打役の者がまたもや打ちつづけるのである。いかに....