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疸
「疸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
正視したが、それはへちまのように長い顔だった。灯のせいもあるであろうが、顔色は黄
疸ではないかと思われるほど真ッ黄色だった。鼻は細根の乾し蘿蔔を思わせるように、痩....
「地獄街道」より 著者:海野十三
って」 それはミチ子だった。私はすこし安心した。 「駄目だった」 「あの人、黄
疸だったようネ」 「黄
疸! 黄
疸というと、なんでも彼でも黄色に見える病気だネ」 ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
という大尉の家の子供と、それだけがすぐに友達になってしまった。もっとも横井の「黄
疸」だけは僕のほかの誰も相手にしなかった。そしてその僕もいじめることのほかにはあ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
白いベッドで、看護婦達に押えつけられながら、あばれている黄色ッぽい、死にかけた黄
疸患者のような、親爺を見つけて、幹太郎は、まず、それを思った。誰れが、こういうこ....
「メデューサの首」より 著者:小酒井不木
臓硬変症、すなわち俗に言う“ちょうまん”で、お腹の大きいのは腹水のためであり、黄
疸は目につきませんでしたが、腹壁には“メデューサの首”の症候がはっきり現れており....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
お別れだった。三十二の歳の惜しい盛りよなし。それから、お前さまはまた、間もなく黄
疸を病まっせる。あの時は助かるまいと言われたくらいよなし。大旦那(吉左衛門)の御....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
何を食っても、あんまり当りさわりということはないが、普通の人間は、たんと食えば黄
疸《おうだん》のような顔色になって、やがて病気だ。この間も「救荒草木」という本を....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
「さて、次に、ひとつ、お願いがございますが、昭和七年満州事変以来、ポツポツ亜黄
疸の患者があって肝臓肥大に気付くようになりましたが、その当時はちょッとフシギと思....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
やっていた弁護士のヘブロンと結婚したんです。彼等は子供が一人ありました。しかし黄
疸がはやって、子供も夫もそれで死んでしまいました。私は彼女の夫の死亡証明書を見た....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
七―一八年の冬頃からどうも脚が冷えて困ると云ってこぼしていた。一九一八年の夏は黄
疸で二箇月寝込んだ。彼は自分の最後の日のあまり遠くないのを悟ったらしかった。それ....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
弱い男で、到底私たちがその男を信用することが出来なかったのだし、もう一人の男は黄
疸を病んでいて、私たちの役に立たなかったのであった。 かくして最初から、その船の....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
を見ているのは、これも用心棒の小林紋太郎で、その南京豆のような顔は、蝋燭の光で黄
疸|病のように見えていた。 これらの輩は、戸のあく音を聞くと、一斉にそっちを見....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
「そうかのう。俺《うら》には菜の花が咲いてるように見えるがの」 間もなく父は黄
疸になった。全身からチューリップ色の汗を流してのたうちまわり、夜も昼も絶叫して、....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
どの急死も武田さんが飛ばしたデマじゃないかと、ふと思ってみたりする。 死因は黄
疸だったときく。黄
疸は戦争病の一つだということだ。新大阪新聞に連載されていた「ひ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
さがりにしめているといったふうなかたです。 勇夫《いさお》兄さまは、あれは、黄
疸《おうだん》色というんだよ、と悪口をいいましたが、あたしは、賛成しませんでした....