疼痛[語句情報] »
疼痛
「疼痛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疼痛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
を誘うごとく、かすかにもれ始めた。阿濃《あこぎ》は、歌の半ばで、突然下腹に、鋭い
疼痛《とうつう》を感じ出したのである。
―――――――――....
「或る女」より 著者:有島武郎
《おさ》えつけていると、三時ごろからどんどん熱が上がり出して、それと共に下腹部の
疼痛《とうつう》が襲って来た。子宮底|穿孔《せんこう》※ なまじっか医書を読みか....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
に数回見廻ることもある。夜は疲労して座に堪えなくなる。朝起きては、身の内の各部に
疼痛倦怠を覚え、その業に堪え難き思いがするものの、常よりも快美に進む食事を取りつ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
僕達は不意に手を離してしまって床の上に※を出したり、筋をちがえた片腕を肩に釣って
疼痛にボロボロ泪を流しながらも、奇怪なる舞踊をつづけたのだった。だが僕達の身体は....
「海底都市」より 著者:海野十三
している夢の中に入ってしまったりした。僕の身体の方々には、三重にも四重にも違った
疼痛《とうつう》があって、それに耐えるのに僕のエネルギーは精一ぱいであった。誰が....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
の場に膝をついた。どうやら煉瓦が上から降ってきたものらしい。膝頭に灼きつくような
疼痛が感ぜられた。 そのとき杜は、死にものぐるいで立ち上った。こんなところに、....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
やがて、唇にふくまれた時は、かえって稚児が乳を吸うような思いがしたが、あとの
疼痛は鋭かった。 渠は大夜具を頭から引被った。 「看病をいたしますよ。」 お....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
瞼に淡く影が映した。 「ああ、わやく云う事やない。……貴方、その疵、ほんとにもう
疼痛はないか。こないした嬉しさに、ずきずきしたかて忘らりょう。けど、疵は刻んで消....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
りと撮み、じょきりと庖丁で刎ねると、ああ、あ痛、焼火箸で掌を貫かれたような、その
疼痛に、くらんだ目が、はあ、でんぐり返って気がつけば、鼻のかわりに、細長い鳥の嘴....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
つくのだそうで。……これで戻駕籠でも思出すか、善玉の櫂でも使えば殊勝だけれども、
疼痛疼痛、「お京何をする。」……はずんで、脊骨……へ飛上る。浅草の玉乗に夢中だっ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
も時彦を嫌悪の極、その死の速かならんことを欲する念は、良人に薬を勧むる時も、その
疼痛の局部を擦る隙も、須臾も念頭を去りやらず。甚しいかなその念の深く刻めるや、お....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
眼に故障を生じたのは天保四年六十七歳の八、九月頃からであったが、その時はもとより
疼痛を伴わなかったのであろう、余り問題としなかったらしい。が、既に右眼の視力を奪....
「山吹」より 著者:泉鏡花
夫人 (はじめて平静に)お前さん、痛みはしないかい。 人形使 何の貴女様、この
疼痛は、酔った顔をそよりそよりと春風に吹かれますも、観音様に柳の枝から甘露を含め....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ばされて、身体五六ヶ所に擦疵、打たれ疵など、殊に斬られも破られもしないが、背中の
疼痛が容易でない。 もっとも怪我をした当夜は、足を引摺るようにして密と紋床へ這....
「活人形」より 著者:泉鏡花
泰助の後を跟け来りて、この座敷の縁の下に潜みており、散々|藪蚊に責められながら、
疼痛を堪うる天晴豪傑、かくてあるうち黄昏れて、森の中暗うなりつる頃、白衣を着けた....