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疾うから
「疾うから〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疾うからの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
治座が開場のことも、左団次一座が出演のことも、又その上演の番組のことも、わたしは
疾うから承知しているのではあるが、今やこの小さい新装の劇場の前に立った時に、復興....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
の前に両手をつかえ、 「実は昨晩の狼藉者は、貴方様の御舎弟源次郎様とお國さんと、
疾うから密通してお出でになって、昨夜殿様を殺し、金子衣類を窃取り、何処ともなく逃....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
うかまア心掛のよい聟をと心得て居ったが、武田の重二郎が当家へ養子に来てくれる様に
疾うから話はして置いたが、漸く今日話が調ったからお母様と相談して、善は急げで結納....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
その密夫と同衾を為ていた処を見定めた訳では無いけれども、何うも怪しいと云うのは、
疾うから馴染の情夫に相違ないようだ、君の前で云うのは何んだが、本当に彼が君を思っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、或いは光悦以前、光悦以後に及ぼそうという段取りまでが、ほぼ科学的に関守氏の胸に
疾うから浮んでいる。 こうして、お銀様に進言をして嘉納された関守氏が、御殿を出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろう。どうだ」 お竹は隠し切れないでとうとう白状した。お菊は若い番頭の清次郎と
疾うから情交があって、ときどき外で忍び逢っている。おとといの観音詣りも無論そのた....
「腐った蜉蝣」より 著者:蘭郁二郎
ぎらして、私は彼を恐縮から救った。それはその男の持つ、何処となく異状な雰囲気に、
疾うから好奇心を持っていたからであったろうし、又、話し相手を欲しいと思っていた気....
「雁」より 著者:森鴎外
言おうかと考える。細かい器械の運転が透き通って見えるようである。「あの、父の所へ
疾うから行って見よう、行って見ようと思っていながら、もう随分長くなりましたもんで....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
なかった。しかし本人のお熊は納得しなかった。お熊は下女のお久の取持で手代の忠七と
疾うから起誓までも取交している仲であった。今更ほかの男を持っては忠七に済まないと....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
あるが、右の方にいる者は、まるきり意味の無い顔をしている、油切って、真円い農夫、
疾うから、思慮も、感覚も皆無になって、動きもせぬ大食いな、不汚極る動物で、始終鼻....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ジャケツは色変り。紐や飾が附いている。
さすが見た目が美しい。
菩提樹のまわりは
疾うから人籠で、
どいつもこいつも狂ったような踊りよう。
ユホヘ。ユホヘ。
ユホ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ら、あの客を取るが宜い、結構だ、子供が出来たというのも誰の子だか分りゃアしない、
疾うからあの客を取ってるのかも知れやアしない、私は帰るよ」 と云い放ち立ち上る....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、世間でも口惜しがるんでございましょうね。あの李夫人と、お宅の郭将軍とは、もう
疾うからあの……とても……何なんですって」 「えっ。主人と、李夫人が?」 郭※....