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疾し
「疾し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疾しの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
詔を草すれば、富貴我を遅つこと久し、これに臨みて命を拒まば、刀鋸我に加わらんこと
疾し。嗚呼、正学先生、こゝに於て、成王いずくに在りやと論じ、こゝに於て筆を地に擲....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
一番長い、豆府屋の唐人笠も、この時その本領を発揮した。 余り随いて歩行いたのが
疾しかったか、道中へ荷を下ろして、首をそらし、口を張って、 ――「とうふイ、生....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
おれた髪を振って、蒼白い顔を上げた。理学士の耳にも正に滝太郎の声である、と思うも
疾しや! 「洪水だ、しっかりしろ。」 お雪は半ば膝を立てて、滝太郎の顔を見るば....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
りと他愛もない話に耽りたいと思ったのです。勿論妻が居たとて、別に僕は沢子へ対して
疾しい心を懐いてるのではなかったのですから、妻の手前を憚る必要はない筈でしたが、....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
た写真版 翌日学校へ出るのが、何となく後めたいような気持だった。むろん、何にも
疾しい事はないのだが、顔を見られるのが不愉快なような気がした。みんなは毛沼博士の....
「日記」より 著者:宮本百合子
。もう早十七日になった。が、今年は初めから緊張し、仕事をやって居る故か、あまり心
疾しくなし。ゴーキーの“chums”をよみ、河村明子のことを思う。書きたい。 ....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
にかかって清吉が振り冠ったる釿の刃先に夕日の光の閃りと宿って空に知られぬ電光の、
疾しや遅しやその時この時、背面の方に乳虎一声、馬鹿め、と叫ぶ男あって二間丸太に論....