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病み上り
「病み上り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病み上りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
き二つき、また一学年ちかくも寝込んで学校を休んだ事さえあったのですが、それでも、
病み上りのからだで人力車に乗って学校へ行き、学年末の試験を受けてみると、クラスの....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ッフェで大往生」と題して「細田弓之助(33)が喫茶店『黒猫』で頓死したが、原因は
病み上りの身で余り激しく駈け出した為、心臓|麻痺を起したものらしい」とあったので....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
既に六、七年続き来った『太陽』の十二獣談を今更中絶も如何《いかん》と、流行感冒の
病み上りでふらつく頭脳で思い付き次第に書き出す。 既に米高と言ったから、米高が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、悄々《しおしお》と縁側の方に歩んで行く姿を見ると、押せば倒れそうで、いかにも
病み上りのような痛々しさで、さすがの米友が見てさえ、哀れを催すような姿なのであり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一 これよりさき、竜王の鼻から宇津木兵馬に助けられたお君は、兵馬恋しさの思いで物につかれたように、
病み上りの身さえ忘れて、兵馬の後を追うて行きました。 よし、その言い置いた通り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゆ》いては立ちどまり、二十歩進んでは休らいつつ、息を切って進んで行くのは、まさに
病み上りに相違ないが、でも、何か別しての誓願あればこそ夜山をするものでなければ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
橋番にも怪しまれずに、一気に広小路から元柳橋を越えて、ここの塀下に立ってみると、
病み上りの身には、ほとんど堪え難い息切れがします。 しかし、ともかくここまで来....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
浴槽へ行く挙動が、ちょっと盲人とは受取れないようです。入って来た瞬間は、いかにも
病み上りのような弱そうな人に見えたが、裸体《はだか》になった筋骨は、さほど衰えた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》った、芝居ですると定九郎といったような人相で、あれよりずっと痩《や》せた人柄、
病み上りのように蒼白《あおじろ》い、なんでも人の言うところによると、眼が不自由で....
「千世子」より 著者:宮本百合子
をしたりして居た。それをよそ事の様にして千世子は大きな自然の前にうなだれて居た。
病み上りのふだんにもましてセンチメンタルになって居る千世子の心の底にドドーッドッ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
うは、あれからS子さんが六週間ぶりと云って初の外出で来ました。お産後というよりも
病み上りという風でした。赤ちゃんなしで産褥にいると、あんな風なのかと可哀そうのよ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
であるから 「よした、よした。あなたはお帰り。料理屋は病院ぢやないからね。お客は
病み上りの仏頂面を眺めにきやしないから、僕の店をなんだと思つてるんだ。こつちは商....
「環礁」より 著者:中島敦
て来た。何故若い島民の女が(それも産後間もないらしい女が)そんな気持になったか、
病み上りの私の身体が女のそういう視線に値するかどうか、また、熱帯ではこんな事が普....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
ました。 公高は屋上で文鳥を放し、空を仰いで手を叩き口笛を吹いて呼んでいたが、
病み上りのところへ強い日光を浴びたので眩暈がしてよろめき庭園の棚に掴まったのを私....