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病を養う
「病を養う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病を養うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
父母と相談の上で、海に近い郊外に六畳に四畳半に二畳の小さい家を借りまして、そこで
病を養うことになったのであります。私の父母は、今迄東京に住んで居た為に、月に一、....
「家」より 著者:島崎藤村
車で三吉の住む町を通過ぎようとしたのは、翌々年の夏のことで有った。 姉のお種は
病を養う為に、伊豆の伊東へ向けて出掛ける途中で、達雄は又、お種を見送りながら、東....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
二通の書を投函せり。一はその母にあてて。 秋風吹き初めて、避暑の客は都に去り、
病を養う客ならでは留まる者なき九月|初旬より、今ここ十一月|初旬まで、日の温かに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
二階家の燈《ともしび》の光の射すのを遠目にながめました。そこは自分が獄中から出て
病を養うたところである。 それから右の方へ廻って後ろになって能登守の居間があり....
「斗南先生」より 著者:中島敦
いない。よく聞くと相州の大山に籠るのだという。大山の神主某の所へ行って、しばらく
病を養うのだという。伯父はその二、三年前から時々腸出血などをしていた。それを七十....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うことは誉《ほまれ》のことではあるまい、いわんや一匹の男、女の世話になって旅をし
病を養うというのは、誉ではあるまい、それを甘んじているおれの身も、またおかしなも....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
暗き穴に潜める貴嬢が白き手をや、一座の光景わが目にはげに不思議なりき。 二郎は
病を養うためにまた多少の経画あるがためにと述べたり、されどその経画なるものの委細....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
わけではない。健康の人間も遊山がてらに来浴するのではあるが、原則としては温泉場は
病を養うところと認められ、大体において病人の浴客が多かった。それであるから、入浴....
「仙人掌の花」より 著者:山本禾太郎
。芦の葉ずれ、にぶい櫓声、柔かな砂土を踏むフェルト草履の感じ、それらのすべては、
病を養う閑枝にとっては一殊淋しいものではあったが、また自分の心にピッタリと似合っ....