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「病中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

病中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
つき》でおりてしまった。跡の肥立ちが非常に悪くついに六月十九日に息を引き取った。病中僕に知らせようとの話もあったが、今更政夫に知らせる顔もないという訣から知らせ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ある。これも何かの手がかりになるかも知れないと思って、半七はその鉄物屋をたずねて病中の伜に逢った。せがれは清太郎といって今年十九の若者であった。 「おまえさんが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
したのでございます。こんな病気になるについては、なにか自分で心あたりがないかと、病中にもたびたび聞きましたが、ただ唸っているばかりで、なんにも申しませんでした。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
らんとなりません。」 と妙に白けた顔が、燈火に赤く見えて、 「では、さように御病中でごわりましては、御縁女の事に就きまして、御令室とまだ御相談下さります間もご....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
と学校の寄付金問題につき明日学校にて理事評議員会あるとかにて伝えに来られしもの。病中につき欠席する旨返事をし、その他につき意見を交換せり。要は教育改革第一、先生....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ので、昼間はともあれ、夜はその車輪の音が枕の上にいっそう強く響いて来るのである。病中不眠勝ちのわたしは此の頃その響きをいよいよ強く感じるようになった。夜も宵のあ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
していた。 紹興二十七年四月、黄岡の旅館にある時、近所の村民が迎いに来て、母が病中であるからその脈を見た上で相当の薬をあたえてくれと頼んだ。ここから五、六里の....
火星兵団」より 著者:海野十三
視したためです。直ちに、主人に知らせたので、主人は、店員と共に駈けつけ、目下、看病中――というのがあります」 「それもいけないね」 「はあ、名前がちがっています....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
て、春たけなわな白光に、奇しき薫の漲った紫の菫の中に、白い山兎の飛ぶのを視つつ、病中の人を念じたのを、この時まざまざと、目前の雲に視て、輝く霊巌の台に対し、さし....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
とを思ひ居り これは島木さんの述懐ばかりではない。同時に又この文章を書いている病中の僕の心もちである。(十五・九・二)....
カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
常ニ違ウノデアル。コノコトハ子規ノ書イタモノニカタカナ文ガ多イコトヤ、宮沢賢治ノ病中作デアル「雨ニモ負ケズ」ノ詩ガカタカナデアルコトナドデ間接ニ証明サレルガ、ナ....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
泊り合せた親子づれの旅商人があって、その親父の方は四、五日わずらって死んだ。その病中、李は親切に世話をしてやったので、親父も大層よろこんで、死にぎわに自分のあと....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
うな深いものではなかつた。 ことわつておくが私は決して山中の作品をけなすために病中をしのんでまで筆を起したのではない。のち、直接山中の人間と相識るにおよんでそ....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
者に立つ処、のちに、矯曇弥が嫉妬の処。やがて夫人が、一度、幻に未生のうない子を、病中のいためる御胸に、抱きしめたまう姿は、見る目にも痛ましい。その肩にたれつつ、....
魯迅さん」より 著者:内山完造
治維新当時の人々の真面目さが烙きつけられておったことにもよると思うのですが……。病中の一日私がおたずねした時に今日はとても好いからというて色々の話をされた。 「....